Super Science Fiction Wars 外伝

Steel Eye'd ladies~鋼鉄の眼差しの乙女達

第12話 もう一度、演習場にて……

G-Part.


解散後、参加した主要な面子は再びSCEBAIの食堂内で談笑していた。
一通りやることが終わったあとは、模擬戦前のどこかギクシャクした空気も完全に消え去ったことで色々と世間話を楽しんでいたのである。

「そうそう、この作品で主人公が言う台詞なんだよな」
「いやー、まさかあの時の台詞が映画のキャッチフレーズとは知らなかったわ」
「あれはパイロットなら思わず口にしたくなる台詞だからな。思わず口をついて出てしまったってわけさ」

食堂に置かれている大画面液晶テレビに映し出されている映画「紅の豚」を見ながらそう話すのは、模擬戦の終盤で最大の見せ場を作ったイサムとヤオである。
DoLLSのメンバーには作品のタイトルを知っている者は何人かいたが、実際に見たことがあるものはごく少数だった為、残った時間を映画の鑑賞会にしたのだ。
イサムの私物である映画のDVDを前に誰もが興味津々という感じであり、その間にもそこにいた全員の会話は弾んでいた。

そう、ここまでは良かった。
これで済めばよかったのだが、その流れはセルマの言った何気ない一言により変わることになる。

「考えてみれば、お二人が戦闘機のパイロットならダイソンさんの『飛べないロボットは』発言の意味も侮辱や挑発と勘違いしないで済んだんじゃないですか?」

それに反応する様に、模擬戦で真っ先に撃破された三人の一人であるエイミーもつぶやく。

「そうそう、技研に出入りしていたらあの機体について分からなくてもパイロットの所属ぐらい分かったんじゃない?」

エイミーの一言に反応したのか、ヤオが思い出したような顔をしてナミの方を向く。

「テストパイロットについては技研側に任せっぱなしだったし……って一人知っている人間がいたわよねぇ……ナミ?」
「あー、えー、それはさぁ……ははは……」

ヤオからいきなり話を振られたナミは、その場をやり過ごそうと笑ってごまかそうとする。
しかし、間髪いれずヤオは彼女に詰め寄る。

「つーか、機体の事は話せないにしてもパイロットの素性ぐらい説明しておけば模擬戦の撤回も出来たでしょーに!」

本来ならここで普通に「ごめんなさい」と言っておけばナミにとってもそこで済んだのかもしれない。
だが、彼女はなんとか言い訳を考えた上で口を開いたのである。

「ほらね、それは何と言うかアレよ。今後は同じサイズの敵と戦うわけじゃないしいいデータも取れるしなによりその口実作る手間がはぶけ……っ!言っちゃった!」

ナミはそう言って、今自分が間違いなく死刑台の床を踏みぬいた死刑囚も良い所な発言だったと言う事実に気付きあわてて口をふさぐ。
だが、それはもう手遅れ以外の何物でもなかった。

既に、その場にいた全員が「顔は笑っているが目は笑ってない」モードに変わってしまったからである。

「どうやら、お仕置きが必要みたいね……」
「仲間をダシにするとは良い根性してますね、中佐」

ヤオの言葉に続いて、フェイスが額に血管を浮かべ口元をヒクつかせながらにじり寄る。

「あ、あはは……みんなそう怒らずにここは落ち着いて……」

自分にとって最悪の状況になっているのを理解した上でナミは、周囲を見回し全員の表情を伺う。
しかし……。

「前もって俺達の事を話しておいてくれなかったのかい?それはちょっとなぁ……」
「中佐、今度の件は酷すぎます。覚悟された方がいいかと思いますよ」
「あのギミック使う様に勧めたのはそういう裏があったんだ。ふーん」

イサムも、気分を害したのか先ほどとは打って変わって声のトーンが変わっている。
それに続いてセルマとジュリアも白い目でナミを見ながら呟く。

「これは黙って首を横に振るレベルね。始末書と顛末書では済まないわ」

ハーディが最終判決を下す。
なぜか先ほどツノ大尉らが被っていた異端審問官の赤い鍔広帽を被り大きなロザリオを首から下げているのは何故なのか、ナミは猛烈に突っ込みたい気分であった。
が、ここで突っ込みを入れるのはもはや死亡フラグどころかまさしく魔女のようにその場で火あぶり……もとい袋叩きになるのが早まるだけである事は明確であった。

「その格好はどこか間違っていると思いますが。いや、この場合間違ってないのか」
「ナミ、お前こんな面白い話なんで俺に持って来なかった~っ!」
「おやっさんが……壊れた」
「上空から見ているだけで正解だったな。そんな事で貴重な機体が潰されてはかなわん」

ハーディの横では、ナミに変わってフェイエンがすかさずツッコミを入れ、コドウッドは技術屋として魂の叫びを上げる。
一方、ツノはコドウッドの台詞を聞いて自分の上司に持っていた幻想がガラガラと崩壊するのを感じながら椅子に座ったままひっくり返った。
そのような中、唯一ガルドだけが冷静に――思いっきり呆れながらも――ナミの口から出た真実に対する感想を述べる。

そして……。







約3時間後
SCEBAI駐機場



緊急整備を済ませたYF-19がファイター形態で飛行準備を進めている。
なぜか、整備要員らも含めて全員がなぜか妙にサディスティックな笑みを浮かべながら機体の点検を進めていた。
事情を知らぬ者が見れば、間違いなく引くレベルの恐ろしさだ。

一見すると、YF-19に変化はない。
いや、正確にはあるモノが付け加えられている。

「ちょ、ちょっと、こんなのお仕置きなんてものじゃないでしょ!いくらなんでもこれは無茶苦茶っていうものよ~!!」

YF-19の胴体下部、具体的にはガンポッドの取り付け位置に吊り下げられているモノの正体……それは、SCEBAIの食堂でその場にいた全員を敵に回した結果簀巻きにされたナミであった。

「何言っているのよ。皆をダシにデータを取ろうなんて考えるからこれぐらいは当然よ。と、う、ぜ、ん!!」
「これは記念写真に残すべきかしらね」

ナミの絶叫などどこ吹く風とばかりにヤオとハーディは笑いながらその様子を眺めている。
他の主だったDoLLSのメンバーやSCEBAIの職員もその後ろでこれから起こる出来事を楽しみにしていた。

あれから、食堂の全員から総スカンを喰らったナミは、個性あふれる様々なお仕置きを喰らい、最終的に「加トちゃんのはげヅラ」をかぶせ簀巻きにされて食堂の外から簀巻きの上蓑虫の如く吊り下げられていた。
その内容はハーディによる禁断の必殺技「たいちょの頬擦り」やコドウッドのプロレスラー顔負けの関節技等枚挙にいとまなかったが、その中でも最も凄まじかったものは初代DoLLS施設中隊付き警務小隊の化け物兼馬鹿者コンビとも称される変態マッチョ二人「アダム・ドナルドソン憲兵隊曹長(通称アドン)」と「サミュエル・ジョンソン憲兵隊軍曹(通称サムソン)」の二人による「肉布団」であろう。

陸戦服を脱ぎ、ぴちぴちビキニパンツ一丁になった二人がローションとワセリンまみれで相手を挟み込んで行う肉布団は男女関係なく恐怖の対象とされ、それを喰らった関係者は口をそろえて「レイプよりおぞましい」と慄くそれが炸裂したのである。

こうして十分過ぎるぐらいのお仕置きを受けたナミだったが、誰かが言った「お仕置きの〆はどうする?」の一言で一旦は解散しようとした一同が集まり、ナミをそっちのけで話し合うこととなった。
まぁ、ナミはこの時点では肉布団の影響が残っており、虚ろな瞳をして「筋肉はイヤ……ワセリンは嫌……」と自分の殻に閉じこもっており、土台その会話に気づくよしもなかったのであるが。
色々な意見が出たが、イサムとガルドの二人がお仕置きに参加していなかったことから「それじゃお二人が〆をやってもらうということで」と全会一致で決定したのである。

話を振られたイサムはノリノリであり「いいぜ、どうせなら俺のアイデアで……」とお仕置きのネタを話し、そのまま案は採用。 ナミはその場にいた全員に担がれて、YF-19やX-7の置かれている駐機場へと運ばれるハメになった。

余談だが、この時復活していたナミの頭の中では映画「ターミネーター」のテーマソングが流れていたらしい……。

一方、ガルドは「丁重にお断りする!」と言っていたが、機体を整備するときは簀巻きのナミをどの様に吊り下げるかをイサムや整備員と話しており内心ノリノリだった様である。

「さて、あとはこのまま飛び立つのを待つのみだけど、そっちはどう?」
「一つ良いところ見せて下さいね~」

YF-19のコクピットで待機状態のイサムにヤオとセルマが無線機で問いかける。 直ぐに返事は返ってきた。

『こっちはいつでもいいぜ、でも本当にこのまま飛んでもいいのか?』
「はぁ?今更何言ってんのよ?怖気づいたわけ?」
『いやー、そうじゃないけどよ。このまま飛んだら彼女摩擦熱で頭が禿げるぜ?それでもいいかっての』

イサムの一言に、それを聞いた全員が爆笑する。
そう、今のナミは簀巻きにされた時のままでありヘルメット等の保護具は一切身に付けてないのである。

「ハゲたくな~い!それより音速で飛ばれたらハゲ以前に燃え尽きちゃうでしょうが~!!」

ナミは悲鳴混じりの声で抗議するが、それに耳を傾ける者はいない。
いや、二人だけいた。

「安心してくれ中佐。仮にハゲたとしてもっ!」
「俺たちの必殺技である『肉布団』でえっ!」
「「ローションとワセリンを育毛剤に換えてその頭にお見舞いしようではないかぁっ!!」」

よりによって警備小隊の名物変態マッチョ二人が上半身裸になりつつ、その筋肉へといつの間にか持ち込んだ各種育毛剤を塗りこんでいたのである。
それを見たナミは、再び気絶しそうになりながらも意識を必死で保とうとしていた。

「そういう事で、ハゲ対策もバッチリよ。あとはお任せするわ」
「最高速度がどれぐらいか分からないけど、模擬戦の時みたくマッハ5ぐらいでかっ飛んじゃいなさい!」
「ワシはタカス中佐のデータを取っておるからいいフライトをしてくれよ」
『オーケイ!それじゃ行きますか。皆、離れていてくれ!』

ハーディとヤオに、岸田博士からのゴーサインを聞いてイサムはYF-19のエンジンを起動させる。
直後、熱核バーストタービンエンジンが甲高いエンジン音を響かせ、機体は滑走路に向かってゆっくりと動き出した。

「あぁ……このままあたし死ぬのね……。またオムニを見ることも出来ずに……」

ナミは目の前数十センチを滑走路のコンクリート面が過ぎ去る中、今までの人生が走馬灯のように駆け巡っていた。
死が確実になると走馬灯が走ると言うが、本当にそれを見ることになるとは思ってもいなかった。

「あ、地面が遠のく……やっぱ死ぬのは確定みたい……(ガクッ)」

そして、YF-19の車輪が地面を離れ機体が浮き上がった瞬間ナミの意識は遂に途切れたのである……。

こうして、ナミのX-7性能向上を目的としたデータ取りの目論見とヤオの勘違い、イサムの一言により端を発した一連の「模擬戦騒動」は終了した。
同時にこの一件でイサム達とDoLLSの間にあった模擬戦前の気まずい空気は解消し、その後も各種の機体開発テストや模擬戦闘での交流が続いていくことになる。

一方、今度の騒動を引き起こしたナミは気を失っただけで済んだが、その後ハーディより「24時間ぶっ続けで始末書と顛末書を書いて提出ね」と言われた。
どんなお仕置きが来るかと恐怖に震えていたナミはハーディからの一言を聞いて顔面を涙と鼻水でぐちゃぐちゃにして喜んだとのことである。



その晩、静岡県富士市 SCEBAY構内 ナデシコGCR本社



さて、ナミが凄惨?なおしおきを喰らっていたその頃、件のギミックの発案者であるウリバタケはどうしていたのか?

作業の関係も有り、デブリーフィングが終わった時点でナデシコGCRの関係者は退出となっており、彼はナミが凄惨な目に遭っている事など全く知らずに居た。
だが、ナデシコGCRの本社……ナデシコ級機動戦艦が収容されたドックに併設されたビル、に戻ってきた彼を待っていたのは、彼以外のナデシコGCR幹部社員……要はナデシコA・Bの幹部クルー全員の差すような視線であった。

「ただいまっと……あれ?皆一体どうした?」

出発前と戻ってからで明らかにクルーの間に漂う空気が異なっているのは今の彼でも判った。

「ウリバタケさん……先ほどSCEBAIから連絡が入ったんですが、陸自の兵器に勝手に改造を加えたと言うのは本当なのですか?」
「ああ……そういう事もあったけど何かあったのか?」

いつもと異なる雰囲気を漂わせるユリカを前に一瞬戸惑ったもののそこは人生経験の違いと言うべきか、落ち着いた表情で返してみせるウリバタケ。
しかし、続いてプロスペクターが発した言葉を前に流石の彼も思わず呻くハメになってしまう。

「はぐらかしても無駄ですよ。困りますねぇ……いくら了承したのは相手の側と言えど自衛隊、ひいては連合政府に不信感を抱かせるような事をされては」
「は、はぁ……」

皆からの視線に、さながら昆虫標本の蝶の心境であったウリバタケは動けないで居る。

「DoLLSの司令さんからお話が有りましてね、タカスさんはお仕置きしておいたからウリバタケさんの処分はお任せします。とのことですよ?」

これまた笑みを浮かべながら、ナデシコB艦長である方のルリが言う。

「は?」

ルリの言葉に、思わずウリバタケもわが耳を疑い唖然とした表情をする。
が、その直後首筋に一瞬鋭い痛みを感じたかと思うと、その直後全身が萎えたかの様に彼は崩れ落ちた。

「え、おい、何なんだ?いきなり体に力が入らなくなったぞ……?」
「特製の弛緩剤よ。逃げられても困るのよね」

ウリバタケが辛うじて動く首を捻って上を見上げると、そこには注射器を片手に持つイネスさんの姿があった。
その後ろには、他のナデシコクルーが手に縄や袋を持って立っている。

「ごめんなさいね。でも今度の騒動で各方面にかけた迷惑も大きかったですし」
「覚悟するんだな」
「手荒な事はしたく無いんだけどね」

メグミの言葉を皮切りにゴート、ジュンといったブリッジメンバーや他部署のクルーも口々にウリバタケへ言葉を投げかけながら身動きの取れない彼にジリジリと近づく。
一方のウリバタケはその様子を前に、このまま気絶したい気分になっていた。

(おい、冗談だろ!?タカスちゃんはあの機体に簀巻きのまま縛り付けられて空飛んだって聞いたけど、俺はこのまま袋に突っ込まれて縄で縛られ空戦フレームの高機動に振り回されるのか?)

しかし、何を思ったところで状況が好転するはずも無い。
だが、救いの手は意外なところから差し伸べられた。

「助からない方法が無いわけでも無いわ」
「え?本当か?」

イネスさんの言葉に思わず聞き返すウリバタケ。
しかし、彼はこの時イネスさんの浮かべた黒い笑みに気が付くことはなかった。

「実は民間から採用した整備員でこちらに回された新人がいるんだけど、“彼”の教育をお願いししたいのよ」

その一言は、その場にいたウリバタケ以外のナデシコクルー――特に男性陣――の表情を凍りつかせた。
中にはウリバタケへ同情的な視線を向ける者もいる。

さて、当のウリバタケはそんなことを知るはずもなく、よりによってと言われそうな選択をしようとしていた。

「そんなことなら、お安い御用だ。と、とりあえず引き受けるがこのままじゃ身動きが取れないからなんとかしてくれ!」
「弛緩剤の効き目が切れるのはもう少し後よ。それまで別室で休んでいるといいわ」

ウリバタケが要件を了承するや、整備班のスタッフ数名が彼を担ぎ上げて運んでいく。
それを見届ける他のクルーはその様子を見送っていたが、ウリバタケの姿が見えなくなるとその場でヒソヒソと話し始める。

「本当にいいんですか?あの人の教育って下手なお仕置きよりよほど……」
「今からでも遅くないから撤回したほうがいいんじゃ……」
「あら、“彼”は貴女達には手を出さないし紳士的だからこの際関係ないんじゃないの?何より、全員をまとめる立場にある艦長が、個人の思想や心情に口を挟むのはいただけないわね」

額に汗を浮かべて顔を引きつらせるユリカとメグミの発言をしれっとした顔で流すイネスさん。
一方、男性クルーはというとその会話を聞きながら皆あれこれと口を出す。

「“彼”がこちらに回されたのは今回の一件と無関係じゃありませんから、教育係に整備部門のトップが直々に就くのは当然でしょう」
「あの体格なら、警備部門でもやれそうだが格闘技の訓練時に後ろを取られるのだけは勘弁してもらいたいな」
「なんというか、あの人に見つめられたらお尻がムズムズするんだ……関わりあいたくないよ……」
「そういえば整備班の数人が医務室へ運び込まれたとか、ワセリンの使用量が急増したという噂ですけど本当ですか?」
「あいつの整備した機体には乗りたくないぞ、魔改造とか変態装備とかそんなものじゃ断じて無い。もっと恐ろしい事になりそうだ」
「アレが木連でも伝説にのみ残るとされた幻の存在『イイオトコ』なのかもしれん。絶対にお手合わせしたくないが」

プロスペクターを皮切りにゴート、ジュン、アキト、サブロウタ、白鳥が発言したが、全員がどこか尻に手を当てる動作をしていたのは気のせいに違いない……。
だが、同時に彼らを含むナデシコの主要な男性クルーがどこか安堵していたのは間違いなかった。

ついでに、この時誰もがウリバタケにこれから降りかかるであろう運命に対して心の中で合掌していたことも追記しておく。



「……もう動けるかな?」

同じ頃、運び出されたウリバタケはというと自分の体が動くのを確認し、寝かされていたソファーから起き上がろうとする。

「ん? 俺の他に誰かいるのか?」

だが、自分が運び込まれた部屋に自分以外の気配を感じ取り、その方向に声をかけた。

「お目覚めかい? こっちは待ちくたびれていたんだ」

部屋の奥から姿を現したのは、青いツナギを身に付けたちょっとワルっぽい感じのする男である。
初めて見る顔であることからウリバタケは向かいのソファーに座った男を見て、ああこいつが例の新人なのかと思った。

だが、何かがおかしい。

おかしいのだ。

自分を上から下まで見つめるその眼差しといい、その眼光の奥底には明らかにメカニックのそれとは異なる「何か」が存在するのをウリバタケは感じ取った。
同時に尻を駆け巡るムズムズした感覚に襲われる。

「やらないか」

その時、目の前の男が呟いた。

そして……。

暫しの沈黙の後、閉ざされた扉の向こうから「アッー!!!」という建物中に響く絶叫が聞こえた。
それを聞いたナデシコのクルー――特に男性――は皆、手を合わせたり十字を切ったのである。

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