第15話の予告編
プロジェクトA子
グラビトン学園の校舎前で、全ての重機動メカが破壊されたB子は赤城山23号を装着した。
女子高生にしてはなかなか発達したB子の肢体はそのほとんどが露出しており、肝心な部分だけが黒光りする特殊素材で作られたパワードスーツに隠されているに過ぎなかった。
B子はそれを誇示するように胸を張った。
「フッ、A子。アナタはこの赤城山23号の威力の前に完膚無きまでに平伏すのよ、お〜っほっほっほ」
自らの発明に酔っているB子であったが、校舎から彼女たちの戦いに注目していた女生徒たちは思わずB子を指さし笑い転げていた。
「やっだぁ〜」
「ナニあれぇー」
「はっずっかっしーっ!!」
ファイティングポーズを取っていたB子の顔が見る見る内に羞恥の色に染まって行った。
彼女はそれを聞かなかった振りをして無視するとA子を睨み付けた。
しかしA子はB子を指さし地面の上を転げ回っていた。
「A子ぉぉぉーっ! 許さん!!!」
B子は怒り狂うと、右手から鞭を引き出した。その姿はまるでSMの女王様そのものである。
「喰らえ! ジャコビニ流星ムチ」
鞭の先端がA子の足に絡まり、A子の自由を奪う。
「ウキャアアアー」
B子はパワードスーツの大馬力で力任せにA子を振り回し、地面に叩き付けた。
「A子ぉぉぉ〜!!! アナタは死ぬのよ〜死ぬのよ〜っ、しー、ぬー、のー、よぉぉおおお!!! 赤城山ミサーイル!!!」
B子は腕に装着された小型ミサイルポッドを構えると、無数の小型誘導ミサイルを発射した。
「キャアアアアアアーッ!!!!」
途端に大爆発が起こり、A子は大空目掛けて吹っ飛んで行ってしまった。
「コラッ! A子どこへ行くの! 待ちなさーい」
理不尽なセリフを発するとB子はA子の後を追って市街地へと飛行して行った。
本編へ続くっと。
「ちょっと、何よこれは」
おおぅ、アスカさんではありませんか。
「これの何処が予告編か訊いてるのよ、アタシは」
仰る通り、ごもっとも。実はプロットを書いていたらプロジェクトA子組のこの場面を入れるのをうっかり失念していたので急遽ここへ入れることとなりました。
決して軽んじている訳ではないのですが
「ぷるんぷるん、C子ちゃんもっとでばんがほしいぃ」
「ちょっとイキナリ出て来ないでよアンタは」
「でもだってだって、つぎのおはなしにC子のでばんないっていうしぃ、C子かなしいのぉ」
がばっ!!
「ああ、C子。何て不憫なんでしょう。大丈夫よ、きっと私が何とかしてみせるわ」
その大きな目に大粒の涙を浮かべたC子に、赤城山23号を着たB子が抱きついた。
「ほんと、B子!」
「ええ、勿論。私の可愛いC子の為なら何だってしてあげるわ」
「うわーいうわーい、じゃあC子、A子に知らせてくるね。るーるるン、やっほぅい」
「あ、C子・・・お、おのれぇええええ。A子、この世に悪の栄えた試しは無いのよ。覚悟しときなさいよぉ」
悔し涙を滲ませたB子は駆けていってしまった。
「何なの、彼女たち。Sか何かなの?」
小説版ではそうですが、アニメ版の彼女たちは仲の良い友達という設定ですかね。
「やな感じー。まぁ他人がどんな性癖を持っていてもアタシには関係ないし、いっか。マヤとリツコも妖しいかったしね」
「妖しいって何のことアスカ」
「シンジ! 何でもないわあっちの事よ。ノーマルのアタシたちには関係ないの」
「ふぅん。あ、所でアイングラッドさん」
はいはい。
「カヲルくんが出て来るって聞いたんですけど」 ポッ
「むぅぅぅぅ。ちょっとシンジ、アタシという者がありながら何なのよ、その反応は」
「え、何でもないよアスカ」
「何でもない事ないでしょう! このバカシンジ!!」
バッチーン!!
ふむ、そりゃ旦那を男に寝取られた事ほど悔しい事はないって言うし。仕方ないなシンジくん。
「なに冷静に分析してるのよ。だいたいアンタが!」
「繊細なシンジクンにこんな事をするなんて、行為に値しないヒトだねキミは」
「出たわね、ナルシストホモ」
アスカは白髪に赤い瞳をした少年に喰って掛かった。
しかし、渚カヲルはそれをあっさりと受け流した。
「おやおや、自信がないのかいアスカクン」
「何ですってぇ! アタシとシンジは固い絆で結ばれているのよ。誰がアンタなんか気にするモンですか」
「それでこそアスカクンだ。ボクも遠慮なく行動できて嬉しいよ」
「そ、そう。それは良かったわね」(本編で会ってないからいまいちコイツの行動パターンが読めないわ)
「でも良いのかいアスカクン」
「何がよ」
「シンジクンの介抱はレイクンがやってるみたいだけど」
「え・・・。あ、先を越された。それもこれも皆アンタのせいよ」
「それは言いがかりだね」
まったくだ。
「ちょっと、アンタどっちの味方なの?!」
オレ? その時の気分次第かな
「アタシ信念を持たない奴って大っ嫌い!」
そう言うとアスカはシンジの元へ駆けていった。
「おやおや、お姫様はご機嫌斜めだね、それじゃ本編で」
それじゃよろしく。
スーパーSF大戦第14話へ
スーパーSF大戦のページへ