機獣達の新世紀・序章




 時は西暦2499年。人類は2300年代から恒星間宇宙船にて新天地を求める宇宙大航海時代を迎えていた。銀河系各地に飛び立って行った宇宙移民船の中に地球に帰還する一隻の船があった。
 その船の名は「グローバリー三世号」。彼らは2330年に新天地を求めて船出を遂げ、その途中にて銀河系中心部を挟んで太陽系とは反対側に位置する星系「ゾイドゾーン」の惑星“ゾイド”に降り立った。
 その星は原始の海に多量のイオン分を含んでいた為に金属細胞を持つ生命体が産まれ、独自の進化を遂げた機械生命体<ゾイド>と、それに枝分かれする形で人類が発生していた世界であった。

 地球人たちがこの星に降り立った時点では、知的生命体のサガなのか大陸の1つを二つの国家に割っての戦争が繰り広げられていた。しかしゾイド人達の間では(ゾイドの存在によって)重工業が文明レベルの割に発達しておらず、戦争といっても数を頼みにした殴り合いであり、最終的には指揮官同士の一騎討ちでケリがつく牧歌的なものであった。
 そこで地球人達は二つの国家にそれぞれ分かれゾイド人達に戦術や武器の技術を教えて行った。
 だが、この事は結果的に裏目に出た。
 ゾイドは水を動力源とする未知の器官“ゾイドコア”を心臓に持ち、人間との精神感応によって操縦可能であったため、ゾイド文明は経済・技術的には発達していた。が、政治的・戦略的には未成熟で、戦争とはあくまでも真正面から相手が降参するまで殴り合う物であった。
 そこに24世紀の軍事技術のみが入って来た結果、妥協する事を知らないゾイド人は一大陸の覇権をかけての戦争を大陸間の大戦争に発達させてしまい惑星全土にまで戦火を広げてしまったのである。

 最終的に戦火が収まるには、惑星ゾイドに3つある月の内の1つに小惑星が激突してその月が砕け散り、その破片が惑星全土に降り注ぎ惑星の地軸を捻じ曲げ多くのゾイドを絶滅に追いやる、という天変地異によって戦争の継続が不可能になるまで続いた。

 地球人とその子孫である地球人とゾイド人のハーフ達はこの天変地異から「グローバリー三世号」によって辛うじて脱出を遂げたものの、行き先の無い彼らは泣く泣く地球への帰還を決断したのだ。

 そうした長い航海の果てに彼らは地球に帰還したのだが…

 超空間航法にて現実空間に出てこようとした瞬間、彼らは不運にも「グローバリー三世号」ごと宇宙にまで影響を及ぼしていた時空融合に巻き込まれてしまった。
 現実空間で巻き込まれたのならば被害はまだ彼らのみで済んでいたが、現実空間と超空間の狭間で「グローバリー三世号」を飲み込んだ時空衝撃波は超空間を超えて惑星ゾイドにまで到達してしまったのだ・・・。


 惑星ゾイドに降り注いだ時空衝撃波は時空の縦軸(時間)と横軸(次元)超えてさまざまな世界を飲み込んでいった…




 中央大陸デルポイを本土とするヘリック共和国と暗黒大陸イクスを本土とするガイロス帝国による惑星ゾイドの覇権を賭けた「大陸間戦争」の時代。
 その闘いは共和国にとっては悪夢そのものだった。
 ガイロス帝国の傀儡であったゼネバス帝国を討ち破った共和国軍とて、ガイロス暗黒軍団の前では赤子同然であった。
 火力は乏しいものの、格闘戦では未だに共和国屈指であった重量級ゾイド・ゴジュラスは中量級イグアナ型量産機ヘル・ディガンナーの前に格闘戦で敗北を喫した。
 最高の防御力と格闘力を備えた最強ゾイド<狂える雷神>マッドサンダーでさえ、暗黒軍の中では何の変哲の無い量産機ダークホーンに格闘戦で敗れ去った。
 特筆すべきは、マッハ4・5の飛行速度と恐怖の殺戮八つ裂き光線“ビームスマッシャー”を装備した強襲機<地獄の使者>ギル・ベイダーに帝国本土上陸部隊の3分の2を葬り去られた事であろう。

 その闘いは共和国が開発した最終決戦兵器、超巨大ゾイド“キングゴジュラス”の投入によってガイロス帝国帝都ダークネスを陥落させ、暗黒皇帝ガイロスが自ら操縦した決戦ゾイド“ギル・ザウラー”を討ち破り共和国が勝利を掴んだ…と思われた瞬間、突如発生した惑星規模の天変地異により、総てはご破算となった。
 キングゴジュラス自身は大異変を生き延びたものの、パイロットはとうに朽ち果て、友軍だけでなく敵の中でも生き残ったものは皆無だった。
 勝利者などいない闘いが遺した残骸の中で、彼は孤独の中で、吼えた。孤独を癒すため、この叫びを聞いてくれる者がいると信じて吼えた。彼はその命が尽きるまで吼えつづけることであろう…。




 時空の縦軸を少し遡った時代。場所は中央大陸デルポイ。そこではゼネバス帝国に首都を奪われた共和国による首都奪還作戦が行われていた。
 その激闘はクライマックスを迎えようとしていた。帝国の象徴である荷電粒子砲を主砲とする魔獣“デスザウラー”の強化改造機“デスファイター”と、共和国が対デスザウラー用に開発した決戦機“マッドサンダー”が雌雄を決しようとしていたのだ。

 全長40m、前高12mの巨体を誇るトリケラトプス型ゾイド・マッドサンダーの司令室で陣頭指揮を取っていた主任開発者のハーバート・リー・チェスター教授は自らが開発したこのゾイドの持つ防御力の高さに満足していた。これまでの戦闘でデスファイターの荷電粒子砲を3発、大型ミサイルの直撃を11発も受けていたが総て弾き返していた。従来のゾイドなら一個連隊は軽く消滅していた所である。
 このゾイドの実戦参加の目的はただ1つ、帝国の決戦機デスザウラーシリーズを撃破することである。マッドサンダーの開発過程自体が共和国の苦戦を物語る物であった。
 過去の闘いの中で共和国がデスザウラー相手に敗北を重ねたのは、共和国の誇る二大ゾイド、ゴジュラス・ウルトラザウルスすら紙のように破壊する比類無き格闘能力と、従来のあらゆるゾイドの火器を弾き返す重装甲、そして主砲である荷電粒子砲の前に太刀打ち出来ない為であった。特に荷電粒子砲の対抗手段を持っていなかった共和国はデスザウラーの前には常に敗走を続けていた。先の首都防衛戦でも、要となるはずであったゴジュラスの一個大隊が基地ごと壊滅させられ、ウルトラザウルスの火力も通じず、残された部隊も荷電粒子砲の前に為す術も無く消滅し、敗北を喫した。残存勢力が山岳地帯に逃げ込んだのもデスザウラーが活動できないから、と言う事が理由であった。
 そこで共和国は首都陥落の際に帝国に捕らわれていたチェスター教授を特殊部隊“ブルーパイレーツ”を投入して救出し、対デスザウラー用ゾイドの開発に踏み切ったのだ。

 山岳戦用改造型デスザウラー“デスドッグ”や空戦用改造型“デスバード”の度重なる襲撃の中で開発は続けられ、デスザウラーの史上最強の火力と装甲を打ち破る為の二つの装備の搭載が新型ゾイドには要求された。
 1つは荷電粒子砲を完全に無効化する「反荷電粒子シールド」
 もう1つは超重装甲すら貫通する超電磁ドリル「マグネーザー」

 「反荷電粒子シールド」で荷電粒子砲を無効化して懐に飛びこみ、「マグネーザー」で腹部の装甲をブチ抜く。これが共和国の考案した対デスザウラー戦法であり、マッドサンダーはこの戦法の為に開発されたのである。
 無論、マッドサンダーは格闘戦だけのゾイドでは無い。強力な火力と高度な指揮通信設備を備え、首都奪回作戦の狼煙とばかりにゴジュラスの好敵手アイアンコングの一個大隊を基地ごと壊滅させてもいた。

 今またマッドサンダーは荷電粒子砲を弾き返した。“狂える雷神”という誉れ高き2つ名を持つゾイドは前進を続ける。己の存在意義、魔獣にマグネーザーを突き立てる為に。

 そのマッドサンダーと対峙するデスファイターのコクピットでも、開発者にしてパイロットでもあるマイケル・ホバート少佐がマッドサンダーの防御力の前に驚嘆の声を上げていた。
 ホバート少佐はこの日が来る事を確信していた。いつか共和国が対デスザウラー用ゾイドを投入する日が来る事を。故に彼はデスザウラーの後継機の開発を上層部に提案していたが、元々国力の面から正攻法では共和国に勝てないと判断したからこそ無敵の超兵器を必要とした帝国に新型機を開発するだけの余裕は無かった。
 このため、彼は共和国は荷電粒子砲を無効化する格闘型ゾイドを投入して来る、と予測し格闘能力を強化した“デスファイター”を開発し自らが操縦していた。
 手足の延長を始め高機動ブースターを装備して機動力を大幅に向上させたとはいえ本格的な格闘用装備は電磁剣一本のみ。これであの敵を撃破できるか…彼は不安を押さえる事ができなかった。

 そして両機のマグネーザーと電磁剣が激突しようとする瞬間…




 時空の縦軸を50年程降った時代。技術力も軍事力もかつての水準と比べて大きく劣っていたものの天変地異の傷跡もだいぶ癒され、共和国と帝国は大陸間戦争を再開させていた。共和国本土の中央大陸と帝国本土の暗黒大陸の間には外部からの侵入を受け入れない、磁気嵐が吹き荒れる魔の海「トライアングルダラス」が発生していた為に直接の侵攻はできない。このため、両国は迂回ルートに当たる西方大陸エウロペへ侵攻していた。後の歴史では「西方大陸戦争」と名付けられている。
 今回の戦争では、経済力の復興を優先させ戦争体制の整っていなかった共和国側に対して何年も前から入念な準備を行っていた帝国側が有利に戦局を進め西方大陸の大半を制したが、その延びきった補給線を共和国に分断され大陸制覇まであと一歩という所で戦線が膠着してしまったのである。
 この事実は共和国の初期目的の達成を示していた。彼らの初期の目的は本土に残されていた主力部隊の西方大陸への投入までの時間を稼ぐ事であったのだから。
 こうして共和国の次世代の戦争に対する解答である「デストロイヤー兵団」は西方大陸に上陸を果たした。過去の暗黒大陸への上陸作戦において、破天荒な性能を持つ暗黒ゾイド軍団に苦戦を強いられた経験から新しい戦術を考案していた。その為の機体が“ウルトラザウルス・ザ・デストロイヤー”である。
 夢想癖で有名な、軍開発部のとある技術者が設計した“ザ・デストロイヤー”の戦法はただ1つ。全長50m、全高27mの海竜型の機体の両脇に装備された100km以上の射程を誇る“1200oウルトラキャノン”2門によってアウトレンジからの戦略砲撃をかますのである。しかも20個師団に及ぶ直接護衛部隊が周囲を取り囲んだ上、防空部隊も万全。帝国軍も近寄る前にウルトラキャノンを浴びる…という寸法である。
 この戦法が実戦で上手く行くか…そこに共和国の命運がかかっていた。
 “ザ・デストロイヤー”の主砲管制室はかつてない緊張感に包まれていた。だが、管制指揮官は落ち着きはらっていた。自分達はこれまでに全知全能をこの巨砲に賭けて来た。後は天命を待つだけだ…と。

「ウルトラキャノン、砲弾装填よし!」

 一発当たり27tの重量を持つ巨弾が装填される。

「ウルトラキャノン、照準補足!」

 流石のウルトラザウルスとは言え、自重に匹敵する質量を持つウルトラキャノンの発射時の反動は単体では受け止めきれない(ただでさえ砲の重量によって速度は半分以下に落ちていた上、アンカーまで装備すると重量が過大となり歩けなくなる事からアンカーの装備は取りやめとなった)。このため一門ごとに直接護衛も兼ねたゴジュラスがアンカーとして砲の反動を受けとめるのである。その2機のゴジュラスが配置についた。

「ウルトラキャノン、発射準備完了!」

 指揮官の号令が飛ぶ!

「ウルトラキャノン、発射あぁっっ!!」

 そして2門のウルトラキャノンが帝国軍目掛け発射された瞬間…




 先ほどの時代の1ヶ月後。共和国と帝国の「西方大陸戦争」も終結の時を迎えようとしていた。
 帝国は共和国の切り札“1200mmウルトラキャノン”の前ではまったくの無力であった。4個師団(戦闘ゾイド4000機、人員80000人)もの戦力を1斉射2発でアウトレンジから吹き飛ばされるのだから…。
(惑星ゾイドには大陸間弾道ミサイルや核爆弾・殺人ウィルスといった戦略級大規模破壊兵器は存在しない。これはこの星に軍事技術を持ちこんだ地球人がABC兵器は流石に渡さなかった為である。また、惑星ゾイドは惑星自体がゾイドである、と言われるほど金属分を多く含み磁気嵐が吹き荒れ荷電粒子が大気中に漂うほど惑星全体での磁気が強いため(なにせ飛行ゾイドはその主翼に磁場を発生させ、惑星自体の磁気と反発させて浮力を得るというリニアモーターカーの原理で飛んでいる)長距離レーダーは役には立たず、有視界戦闘が基準となっている)
 当初は80個師団を数えた帝国軍も半数以上もの兵力を失い、帝国の西方大陸での拠点であるニクシー基地まで後退せざるを得ず、本国から撤退命令が出るのも時間の問題…というところまで追い込まれてしまったのである。
 ウルトラキャノンを破壊しようにも接近した時点で相手の護衛部隊に足止めされた所に当の巨弾が降り注ぎ失敗。
 空爆しようにも集中配備された新型空戦ゾイド“ストームソーダー”と往年の名機“レイノス”、超爆竜“サラマンダー”と言った防空部隊に阻まれ近づくことすらできず。
 頼みの綱の精鋭部隊も共和国のエースパイロット部隊“レオマスター戦隊”との交戦を最後に連絡が途絶えてしまった…

 こうなれば撤退できなければ降伏するしかない。ニクシー基地司令(派遣軍司令部はウルトラキャノン破壊作戦の陣頭指揮を取った際にレオマスター戦隊によって全滅させられた)は降伏を認めようとしない本国に対してこの事実を引き合いにして撤退作戦の許可を得た。
 だが、撤退用に本国から飛来した戦略輸送機“ホエールキング”への乗りこみは宰相プロイツェンの親衛師団PK(プロイツェンナイツ)が優先されていた。この様子を司令部から眺めながら基地司令は一般兵を見捨てた宰相に毒づいていた。畜生、何が「祖国の礎」だ。精鋭部隊を優先させるのは判るがエリート意識ガチガチのPKが更にのぼせ上がるだけじゃないか。まあ、奴らさえ追い出せば巨弾がここに降ってくる前に降伏できるがな。
 第一陣としてPKを満載したホエールキングが本国目指して空に消えて間もなく、この基地がウルトラキャノンの射程に捕らえられたとの報告が飛び込んで来た。やれやれ、とうとう来たか…。基地司令はそう呟いてから部下に幾つかの指示を出した。
1,これから時間稼ぎの為に降伏の交渉を始める。できるだけ長引かせるからその間も撤退の準備を続けよ。
2,撤退の際に共和国軍包囲部隊に決死隊を突入させるので、参加部隊を選抜せよ。尚、この部隊の指揮は私が取る。

 この指示を受けた部下が各地に飛び出していった瞬間…




 次元を横軸方向に逸れた世界。そこでは惑星ゾイドは<惑星Zi>と呼ばれており、ゾイドと人類の関係も若干異なっていた。
 この世界ではゾイドはこの星に数千年前に飛来した人間型宇宙人によって新たな種として産み出されていた。
 この星に降り立ち、ゾイドの生命を司る「ゾイドイヴ」を創り出した彼らはゾイドとの仲をより深める為に有機生命体である自らと機械生命体ゾイドの間を取り持つ“オーガノイド”を開発しゾイドと共存共栄していたのだ。
 だが、それだけの高度な文明を誇っていた彼ら“古代ゾイド人”達も些細な権力争いから始まった戦争においてゾイドを道具として用い、最後には自らが開発した“終焉の魔獣”デスザウラー(前述の世界での物が全高20mに対して、こちらは200mに達する)の暴走によって滅亡直前にまで追い込まれてしまったのである。
 このため生き残った僅かなゾイド人は未来に希望を残す為に子供達をオーガノイドと共に冷凍冬眠させる一方で、種としてのゾイドを産み出し、その繁栄と滅亡を司る“ゾイドイヴ”の機能を低下させデスザウラーを活動不能に追い込む事に成功した。
 いつの日か子供達がデスザウラーを完全に滅ぼした上でゾイドイヴを覚醒させ、かつての繁栄を取り戻す日が来る事を信じて。

 そして時は流れ、長きに渡る眠りについていた子供達も徐々に目覚めていった。
 彼らが見たものは、地球とか言う異星より移民してきた別の人類が戦争を続けながらゾイドと共存している世界であった。
 そして、その世界では目覚めた子供達は皆が幸せになれた訳では無かった。
 彼らのお守に付けられ、ゾイドの性能を飛躍的に向上させる機能を持つオーガノイドを巡ってしばしば醜い争いが起こったのだ。
 やがて一人の少年は決意した。
 この世界の人間はゾイドを戦争の道具にしか思わず、つまらない戦争をまだ続けている。
 自分たちにそっくりな下等生物どもを滅ぼして、ゾイドを開放してみせる!と。
 この赤毛の少年の名は、ヒルツ。
 この星の将来に絶望した彼はデスザウラーを復活させ、この星を埋め尽くしている下等生物を滅ぼし、この星をゾイドの為に開放する事を心に誓った。
 その日から、彼の暗躍が始まった。
 デスザウラーの復活。
 その為にはゾイドイヴの完全稼動と欠けたコアを埋め合わせる強靭なゾイドコア、そしてデスザウラーと一体化する人間の3つが不可欠であった。
 そして、これらの条件を満たす為にはまず権力が必要となる。
 このため、彼はこの時代の国家の1つ「ガイロス帝国」の摂政ギュンター・プロイツェンに接触した。
 摂政はこの星に戦乱が続くのは2つの国家が存在する為であるので、戦争を無くすには反乱勢力である「ヘリック共和国」を打ち倒し統一国家を築くしかない、との理想を掲げる才能のある野心家であった。
 そんな彼に対してヒルツは決戦兵器としてデスザウラーの話を持ちこみ「デスザウラー復活計画」を開始させた。
 次に必要とされるのは、デスザウラーと一体化する人間。
 その条件は世界の全てを憎しみ抜き、それらを滅ぼす決意をしている事。
 この為にヒルツは彼自身のオーガノイド“アンビエント”を覚醒前の状態で回収した研究者に子供がいる事に目を付け、その子供の目の前でアンビエントに両親を殺害させ、ゾイド憎しの怨念を植え付けさせた。
 この子はやがてゾイドと共存する世界その物を憎むようになる…という寸法である(この少年は後にプロイツェンに拾われ“レイブン”と名付けられ、摂政直属の特殊兵として育てられた)。
 だが、この計画も肝心のプロイツェン本人が、ゾイドコアの回収用に製造したクローンデスザウラーの殺意の波動に取りこまれ強攻策を取った事から綻び始める。
 ゾイドイヴ覚醒の鍵となる少女フィーネが記憶喪失の状態で覚醒し現代人の少年バンと行動を共にした事から、共に戦争を望まない帝国の反プロイツェン派と共和国が団結してしまい、レイブンもバンとの直接対決に破れ、肝心のデスザウラーですらバンのライオン型ゾイド“ブレードライガー”の前に破れ失敗に終わってしまった。
 このためヒルツは組織を再編するまで2年もの年月を費やしてしまった。

 次の復活作戦では自らがデスザウラーと一体化する事にした。
 古代において対デスザウラー用に開発された2体の蠍型ゾイドを融合させた“終焉の使者”デススティンガーを誕生させ、そのデススティンガーのコアごとデスザウラーと融合して完全復活させる…という寸法であった。
 今回は彼の兵力は乏しかった。
 デススティンガーを完成させるまでは共和国・帝国間の和平によって行場を失い食い詰めた軍人くずれや戦争で利益を上げていた官僚的軍人を利用した時間稼ぎを主に行った。
 デススティンガーはマイクロブラックホールを叩き付ける重力砲“グラヴティキャノン”を始めとした数々の妨害を受けたが、その不死身に近い生命力もあって最後まで粘りぬき、ゾイドイヴを完全覚醒させ完全体デスザウラーを復活させたのだ。

さあ愚かなる人間どもよ、今こそ絶望の中で滅びるがいい…!

 そう高らかに宣言したヒルツでも肝心な事を見落としていた。
 2年以上に渡る戦いの中で人間達はお互いを信じ合い、昔とは見違える程の成長を遂げていた事を。

 元気だけが取り柄の洟垂れ小僧から誰もが認める勇者となったバン・フライハイト。
 世間知らずの甘えん坊からガイロス帝国の未来を担う皇帝となったルドルフ。
 実力はあるがイヤミな軍人から名指揮官に成長したロブ・ハーマン。 
 他にもミスの無い堅実な指揮を見せる兄カールと技量とエンジニアとしての能力で兄に勝る弟トーマのシュバルツ兄弟。
 バンの兄貴分である元盗賊の賞金稼ぎアーバイン。
 皆の尻を叩きムードメーカーを務める姐御のムンベイ。
 バンの奮闘を前にして現役復帰した世界最高の科学者ドクター・ディ。
 絶対絶命の窮地に必ず駆けつける大空の勇者、翼の男爵アーラ・バローネ。
 過去のトラウマにより虚ろな心を抱え、ヒルツの駒として狂犬のごとく破壊と殺戮に生きてきたレイブンとリーゼの2人も彼らの前に度重なる敗北を喫し、己を見つめ直す中で自分達が忘れてきた<人間として大切な事>を思い出した。

 そんな彼らの明日への猛攻の前には完全体デスザウラーといえど過去の遺物に過ぎなかった。
 互いに宿敵として腕を磨きあったバンとレイブンの2人は「ゾイドイヴの破壊によるデスザウラーの活動停止(当然、全てのゾイドも滅びる)」という考えを「そんな勝利など無意味!」と一蹴し、捨て身の連携攻撃をもってデスザウラーを討ち破ったのだ。

 ヒルツはデスザウラーと共に沈む時に気付いた。自分が抱いていた、他人を憎み,さげずむ心。それこそが長きに渡り惑星Ziに戦乱をもたらしゾイドを戦争の道具としていた事に。
 <私は何をしていたのだ…?>
 薄れ行く意識の中で彼はアンビエントの存在に気が付いた。
 <そうか、お前だけは私の傍に居てくれるか…>
 それは彼が忘れて久しかった、ゾイドへの思いやりだった。

 バンが盗賊に追われ逃げ込んだ砂漠の古代遺跡にて眠りについていた少女フィーネと巡りあった事が始まりとなって数多の綺羅星が出会い、星座を組んで明日への帰還を成し遂げたのだ。
 響き合う奇跡の中で平和が実現されたその瞬間…




 先の世界から数千年の時を経た世界。
 そこでは共和国や帝国といった国家の枠組は効果を失っていた。戦争も進歩していくに従いコストも高くなり、費用対効果が悪く勝っても不経済に終わってしまうのだ。
 よって戦争のメリットは無くなり、人類は戦争を放棄していた。当然、ゾイドを戦争の道具にする事も無くなっていた。
 そんな中でゾイドはプロスポーツに用いられていた。ゾイドによる戦闘競技“ゾイドバトル”である。機械の獣達が織り成す華麗な戦闘の前に多くの人々が魅せられ、瞬く間に惑星Zi全土に広がっていった。
 そんな競技が定着したこの世界のとある半島にて、ゾイドバトルが行われていた。
 それもただのバトルではない。ゾイドバトル連盟主催の4年に1度のワイルドカードマッチ“勇者の祭典”である。
 ゾイドバトルはCクラスからSクラスまでの厳格なランク制が敷かれており、同じクラスのチームでもランク差によって対戦相手が制限されている。
 “勇者の祭典”はその中でも特例とも言えるバトルで、Aクラス全チームと特別枠としてBクラスから選抜された数チームのを合わせた100を越えたチームが一斉に参加するバトルロイヤルマッチなのである。
 その勝利条件は只一つ。半径1000kmのバトルフィールドに隠されたゴールに辿り着く事である。
 無論、ノーヒントでは無い。
 1回勝つ毎にキーコードが送信され5回勝てばゴール地点が判明する仕組みになっている(これは言うまでも無く大変な事である。チーム数が100を超えていても5回も戦えば生き残りは僅か4〜5チームに過ぎない)。しかも競争でもあり、いかに早く他の5チームを撃破しゴール地点を知ったとしても、辿り着けねば無意味と化す。
 したがって、かなり早い内から壮絶なバトルが繰り返され、ゴール地点でも生き残りの数機による最終決戦が発生する。

 だが、今回の“勇者の祭典”は従来の大会とは大きく異なる事があった。
 闇の組織“バックドラフト団”による大幅な介入が行われたのだ。
 彼らは高度にスポーツ化された連盟とは異なり、「命がけの戦いにこそ真の醍醐味がある」として命のやり取りを前提とし、賭けまで行われるいわゆる<闇バトル>を取り仕切る暗黒の組織である。
 それも、ただ闇バトルを行うだけではなく、“自分たちの行うバトルこそが真のゾイドバトルである”と主張して連盟のバトルに乱入し、破格の賞金を餌に連盟所属のチームに(時には人質を取って)闇バトルを吹っかけるのである(連盟のウォリアーとて己の誇りが懸かっている為、断りきれなかった)。

 そんな彼らは自分たちが表に立つ為、“勇者の祭典”の乗っ取りを図った。
 バックドラフト団は自分達のチャンピオン“ベガ”を伝説の自己成長型人工知能“オーガノイド”を搭載したゾイド“アルティメットX”である<狂王>バーサークフューラーと共に連盟に潜りこませ、彼を祭典で優勝させる事で自分たちこそがゾイドバトルを取り仕切る立場に在ることを全世界に宣言する…という計画を立てた。
 おまけにベガが他のチームを一つ撃破するごとに本部に設置した荷電粒子砲をもって連盟の監視衛星“ジャッジサテライト”を撃墜していく、という手段まで取った。

 そんな強行手段も、“力に頼る者は力の前に敗北する”の格言の通りの敗北を喫した。
 ゴール地点である“古のウルトラザウルス”での最終決戦においてバーサークフューラーはもう一体のアルティメットXである<獣王>ライガーゼロの前に敗れ去ったのだ。
 ゾイドの性能は機体性能だけで無く、精神感応するパイロットの能力との合計によって決まる。
 1の能力がパイロット次第で0.5にも10にもなる。
 中でも<アルティメットX>は文字道理の“運命の出会い”を遂げたパイロットに対してのみ驚異的な学習能力を提供し、強敵と闘えば闘うほど強くなっていくのである。
 ライガーゼロは半人前に過ぎなかった少年、ビット・クラウドを己のパイロットに選んだが故に、当初は低性能に甘んじていたものの、わずか半年の間にビットと共に数多くのライバルとの闘いを経て脅威的な成長を遂げた。
 一方、バーサークフューラーは始めからベガという超パイロットを得たが故に常に自分より弱い相手との闘いしか経験していなかった為、互角の力を発揮したライガーゼロを前にして戸惑いを見せ己の力を制御しきれず暴走。結局“人機一体”の頂点に達したライガーゼロに倒された。
 ゾイドバトル連盟もまた、バックドラフト団の介入があることを事前に予測し、始めから全てのジャッジサテライトを無人化させていたのだ。
 そして、バーサークフューラーの敗北を確認した後に隠し玉の超大型ジャッジサテライトを投入。連盟の健在をアピールした上でバックドラフト団に対し本部への攻撃を示唆し、降伏を迫ったのだ。
 「命がけで無くても真のバトルは行える」事を証明させられたバックドラフト団は敗北を認め、自ら解散を宣言したのである…。

 “勇者の祭典”の覇者となった少年、ビット・クラウド。彼はライガーゼロと共に“古のウルトラザウルス”背面の飛行甲板の上に立っていた。
 ここには古の昔、破滅の魔獣を討ち破り冒険の旅に出た、風と雲と冒険を愛した勇者が立っていたと言う。
 ビットは思う。古の勇者はここで何を見たのか?
 それは今の自分と同じだろう。行く当ての無い旅路の果ての…蜃気楼の向こうにある明日を!。
 行くぜ、ライガー!未だ見ぬ明日へ!

 そんなビットの呼びかけにライガーゼロが満面に笑みを浮かべて答えようとした瞬間…




 遥か地球から超空間を超えた時空衝撃波が惑星ゾイドに降り注いだ。
 時空衝撃波は無慈悲、かつ平等にあらゆる次元に降り注いだ。
 衝撃波は空間を歪め、時間を狂わせて行く。
 時空衝撃波は地球では地表に沿って広がった為に発生点の向い側で終着したが、惑星ゾイドでは超空間を越えて来た為に方向性を持ち、ジグソーパズルのピースのごとくそれぞれの時空を引き剥がしていった・・・。
 引き剥がされた時空はバーテンダーにシェイクされるカクテルのごとく攪拌されていった。
 それぞれの次元は各々の特徴を残しながらも、まったく違う次元に統合されようとしていたが、結局そうなる事は無い。
 惑星ゾイドを突きぬけた時空衝撃波は新しい次元を引き摺るようにしてこの星から引き剥がし時空の彼方に葬り去ろうとしていたのだから…。

 だが、それに抗う2つの意思が存在した。
 1つは惑星ゾイド自身の意思。
 もう1つが惑星Ziにてゾイドの繁栄と滅亡を司るゾイドイヴ

 彼らは護るべき命の為に滅びの定めに抗う決意をした。幸い時空衝撃波が通過してきた超空間はまだ開いている。この超空間をこえて衝撃波の発生地まで行けばこれ以上は影響は受けない。
 彼らは分身を作り上げ、その分身は意思の力で消滅しつつあった新次元を保護し、超空間を超えた。その果てには、青い星が輝いていた。その星の名は「地球」。
 だが、地球は時空の障壁、相克界に包まれようとしていた。
 彼らは相克界をかろうじてすり抜けたものの、突破の際に軌道が逸れて目指していた発生点には着地できず、東側の海の向こうにある大地に降り立った。
 その地は、アフリカ大陸と呼ばれている。

スーパーSF大戦
機獣達の新世紀





<アイングラッドの感想>
 錬金術師さん、投稿ありがとうございました。
 掲示板で予告の有った「ZOID」世界の参戦です。
 なるほど、これなら銀河系の反対側から地球に来ていてもOKでしょう。
 ただ、何故新世紀2年までこの強力な存在が日本のみならずアフリカに調査隊を派遣していたエマーンにも知られていなかったのかを理屈付け無くてはなりませんので、勝手ながら私の方で設定話しを後に付けさせて頂きます。




ZOID参戦、その裏にて



 「首都消失」と云う映画をご存知だろうか。
 唐突な切り出しに戸惑われた方も居るかもしれないが、現在中央アフリカから南(希望峰周辺を除く)迄の景観が丁度あの映画の画面に良く似た状況に陥っていたのだ。
 勿論、規模としてはこちらの方が格段に大きいのだが・・・あの映画では首都圏と呼ばれる地域が誰も立ち入る事の出来無い雲隗に覆われ外部からも内部からもあらゆる接触が断たれていた。
 それと同様に垂直に切り立った雲の壁が立ちはだかり、あらゆる物の進入を拒んでいたのだ。
 それを最初に発見したのはエマーンのアフリカ調査隊の一隊であった。
 ラース家が組織したその小隊はそこへ至る前にアフリカの小部族(ホモ・サピエンスであった為、触手の無い人間達にエマーン人達は大変に驚いたらしいが)の集落にて、まるで神の如く崇め奉られていた「ニホン人」の夫婦を保護していたが、このとてつもない自然現象の前にはただ立ち止まるしかその術を無くしていた。
 彼らエマーンの科学力は現在地球上に現れて居た全ての文明の中でも郡を抜いた技術を誇っており、直ぐにでもこの現象が何故起こったか、いつ終結するのか、またはどうすれば止められるかが分かる筈だった。
 しかし、不可思議な事に全ての探知装置の診断結果は「不明」。
 どの方法を取ってもその探知に使用した物は一方的に吸い込まれる一方で、そのエコーすら帰って来る事は無かった。
 有る意味、消極的な特異点とでも云うべきだろうか。
 まるでブラックホールの様に特異な存在としか結論を出す事は出来なかったので有る。

 だが、この時何が起こって居たかは時空融合後ほぼ1年2ヵ月が経過し、その地域を取り巻いて居た異常な雲隗が消失した今、朧気ながら解析が始められている。
 それは、この地域に出現した世界の特異的な出現に原因があったのだ。

 新世紀2年6月6日。
 何の前兆も無く、唐突にその雲隗は消失した。
 エマーンもこの暗黒大陸に新たな資源と顧客を求めて居た為、この様な不自然な自然現象は非常に都合が悪かった。
 その為、ラース家とトーブ家、バーム家等から成る共同調査隊が数ヶ月前から連日の調査活動を行っていたのだが午前7時に調査を再開しようと調査隊隊員達が何気なく雲の方に目をやると、・・・見馴れた筈の雲の壁が朝もやの様に薄れていくのが確認できた。
 余りの出来事に暫し呆然として居たのだが、ふと我に返った隊長の叱責が飛ぶと隊員達は普段ならつまらない諍いのタネに成る一族同士のいざこざもすっかり忘れて観測機器に齧り付いた。
 その結果、その中の空間特性が地球上と良く似ていたが違うものであると云う証拠が上がって来た。
 しかし、高いところに有る水が低いところへ流れる様にその位相差は見る見るうちに消失して行き、観測機の上でも全く区別できなくなった。
 後に、何がこの地に出現したのかを知ったエマーンの科学者達はこう結論付けている。
 まず、出現した世界が、時間的にも空間的にも果てしなく離れた存在が他の世界の出現方法と異なる様なイレギュラー的な方法で出現した事。
 そして、本来ならこの地に存在していたはずの世界に「ゾイドイヴ」「惑星ゾイドの意識体」と言った存在が割り込みを掛けて無理矢理出現した事等から他の地域よりも安定するのに時間が掛かったのであろうと。
 その結果、境界線上に相克界にも似た現象を引き起こし、それが安定するまで外界とは隔離されていたのだと云う事だ。
 だが、その時のエマーンの調査隊隊員達にはそれを観察している余裕は無かった。
 彼らがベースキャンプを張って居たのは雲隗の外、20キロの地点であった。
 雲界が完全に消失してから数十分が過ぎ、境界の外と内の差が消失した事を確認した彼らは先遣調査隊を選抜していたのだが、唐突に彼らの耳に聞きなれない軋み音が響いてきた。
 動物の声にしては金属的過ぎたし、機械音にしては有機的でありすぎた。
 彼らがディー(小型の慣性制御デバイス)の用意を進めながらも不安げにそちらを気にしていると、やがてその境界線の向こうの乾燥地帯に土煙が上がり、それがこちらに近づいて来ていた。
 思わず浮き足立つ隊員達がそれを見守っていると、その土煙の元が物凄いスピードで接近して来た。
 8本の脚を素早く動かしながらその巨大な物体は彼ら目指して突進してきたのだ。
 隊長が咄嗟に判断してベースキャンプとして使用しているハウス(交易用の家型慣性制御デバイス。大型)に逃げ込む様に指示するとそれは彼らの目前で低くして居た姿勢から威嚇しているのだろうか、脚を持ち上げると巨大なハサミを振り上げて咆哮した。
 それは巨大な機械の体躯を持つサソリの化け物であった。
 現在ではそれの正体は分かっている。
 Zゾーンでは当たり前の存在で有る金属生命体「ゾイド」の一種で名称は〔ガイサック〕
 単独行動での奇襲戦闘用に開発されたサソリ型ゾイドである。
 ガイサックは振り上げたハサミでディーを挟み込むと、その怪力でディーをプレスしあっという間にスクラップに変えてしまった。
 このガイサックは操縦者を失い野生化したゾイドであり、人間の制御下に無かったためその性質は強暴で危険であった。
 慌てて彼らがハウスを上空へ避難させると、その少ない頭で考えたのか、暫し上昇して行くハウスを見守っていたが突然尻尾に装備された光線兵器を上に向けると上空に向かって乱射し始めたので有る。
 幸いにして直撃は避けられたものの、彼らエマーンとゾイド世界との接触はこうして悲劇的なファーストコンタクトとなってしまった。
 後に、このゾイド世界の住民達が外世界へと進出し始めた際に最も近い文明圏であったにも関わらず、その接触にエマーンが慎重で有ったのはそう云う理由が有ったからである。
 かくして、この有る意味もっとも機械と人間が近しい存在で有るゾイド世界は融合世界に解き放たれた。
 彼らはどう云う役割をこの世界で担い、活躍して行くのであろうか。
 それは・・・。




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