スーパーSF大戦

 

新世紀の警視庁警備部 その二

 

 

 

 

 

 

新世紀二年五月二五日。

東京都下で、あるイベントが催された。

其処に集まった人間の殆どは地方公務員であり、一部国家公務員として奉職している者達である。

警視庁警備部所属の基幹機動隊員達であった。

時空融合で様々な世界が出現した。そして「太平洋戦争の敗戦」を経験した世界の大半が警察という組織に、治安維持の実働部隊である「機動隊」が設置されていた。

時空融合後の組織改編によって、機動隊も警視庁機動隊、管区機動隊、県警機動隊等に再編成された。

警視庁機動隊は本部機動隊(本機)と呼ばれる常設の機動隊と方面機動隊(方機)と呼ばれる非常設の機動隊で編成されている。

管区機動隊(管機)は東北、関東等の警察庁管区警察局に管区内の県警から人員を派遣して編成される地方の機動隊で、指揮は管区警察局から応援を受け、県警が取ることになっている。

県警機動隊(県機)は、各県警警察官(主に交番勤務の若い警察官)で編成されており、規模も小さい所から大きい所まで地域によって異なる。

 

昭和二三年五月二五日に警視庁が「警視庁予備隊」が創設され、その日を「機動隊創設記念日」として定め、警視庁機動隊による機動隊観閲式を行っていた。

それは時空融合が起こり、日本連合と名前が変えられても行われることになった。流石に混乱期の最中にあった、新世紀元年は執り行われることは無かったが。

新世紀二年度の機動隊観閲式は東京湾の埋立地の一つで執り行われた。

東京都のど真ん中で、警視庁の本機全隊を集結させられる程の敷地は其処くらいしか無かった為だ。

 

 

 

 

「ま、俺達には関係ないけどな」

そうぼやいたのは、我等が警視庁警備部特科車両二課パトロールレイバー中隊第二小隊の篠原遊馬だった。

特車二課第二小隊には、実は機動隊創設記念日にお呼びがかかってはいなかったのだ。

警察官の仕事に土日祝日は存在しないし、犯罪が平日限定で起こるわけでも無い。それは機動隊も例外ではなく、警視庁の本機機動隊は第一〜第九機動隊各隊が当番制で常時出動態勢を取っており、緊急時はその当番隊が出動することになっている。

特車二課の場合も同様で、従来までは第一・第二小隊が交互に日勤・夜勤を行っていたが、最近新設された第三小隊もローテーションに組み込まれたため、勤務態勢もかなり楽にはなったようだ。

そして、機動隊創設記念日に偶々当番(八時三〇分から翌日の九時三〇分までの勤務、通称「マル当」)にあたったのが第二小隊だったのだ。

当初はパトレイバー中隊の全小隊が参加の予定だったが、警察庁警備局の幹部が「首都の警備を空にしてどうする!」とパレード計画書の作り直しを命じたため、通常通り当番の第二小隊のみ外されたのだった。ちなみに第一小隊と第三小隊は予定通り参加する。

「篠原巡査、気持ちは分かるけど、口じゃなくて手を動かしなさい」

第二小隊の学級委員こと熊耳武雄が注意をする。

肉体労働が主の警備部実働部隊と言えど、書類仕事から免除されるわけでは勿論無い。普段は書類仕事が多いと言った方が良いだろうか。特に特車二課は警視庁唯一のパトレイバー部隊であり、それ故実験部隊的な要素もあるため、日々のデータの蓄積と整理は絶えずやらなければならない。

「は〜い」

「怒られてやんの」

まるで先生に注意された小学生のような返事を返す遊馬。それにツッコミを入れたのは泉野明だった。

「やかましい、さっさと書類纏めとけ!」

此方も相変わらずの夫婦(?)漫才で場を笑わせる。

「書類の提出、終わりました」

「終わりましたぁ」

第二小隊オフィス出入り口の戸を開けて熊耳に報告したのは、第二小隊の新人、杉田庄一と空谷みどりだった。さっさと書類を纏め上げて小隊長の後藤喜一に提出してしまったようだ。

「二人ともご苦労様。次は三号機と三号指揮車の点検よ」

「「はい」」

そう言ってハンガーに降りていく二人。

「あの新人も大分使えるようになってきましたな、巡査部長殿」

二人を目で追いながら呟く太田功。恐らくこの言葉は杉田とみどりに対する、最大限の賛辞なのだろう。それを面と向かって言わないのが太田らしいが。

「そうね」

「そう言えばあの二人、訓練生時代は太田さんの生徒だって前に言っていましたよ」

話題に入ってきたのは第二小隊唯一の妻帯者、進士幹泰だった。とうに自分の分の書類は整理し終わっているので、他の分の書類を整理し始めていた。

「へー、太田の教え子ね。その割にはやたらと銃を撃たないよな、あいつら。良い反面教師になって良かったな太田」

「なんだとぉ!?」

遊馬の茶々に(いつもの如く)過剰に反応をする太田。

遊馬の言う通り、杉田は出動しても滅多に37ミリリボルバーカノンは使わないし、仮に発砲する事はあっても確実に暴れているレイバーに当てている。

そのスタンスはある意味野明に近いが、野明ほど過剰にイングラムに固執しない。その割には、今までイングラムに大怪我させたことはなかった。かつて居た世界ではそうでも無かったようだが。

「もう、太田さんも遊馬も。・・・ひろみちゃん、お願い」

「解りました」

何時まで立っても弾切れを起こさない二丁の口角泡を止める為、野明は山崎ひろみにお願いして仲裁して貰うことにした。

山崎はその名に反するほど、でかくて厳つい怪力の主、例えるならばフランケンシュタイン(爆笑)のような外観だが、性格は極めて温厚で心優しい青年であり、趣味は家庭菜園という名前に相応しい心を持っていた。

「太田さんも遊馬さんも止めて下さいよ、何時も何時も喧嘩なんかして」

そう言ってヒョイッ、といった感じで二人の襟首を持ち上げてそのまま引き離す。

二人とも暫くジタバタするが直ぐに大人しくなった。

既にパターンと化している日常の一コマであった。

 

 

「まったく、どうしてウチの若い連中は、こんなに元気が過剰なんだろうねぇ」

ハンガー二階のキャットウォーク手摺りにもたれ掛かりながら一人ごちる後藤。第二小隊オフィスの外にまで喧嘩の声が聞こえて来ていた。

手にはさっき提出された書類が持たれており、時折パラパラと捲って中身を見ていた。

「それにしても、狭くなったなぁ。ここのハンガーも」

キャットウォークから整備ハンガーを眺めていると気が付く。以前よりもハンガーが狭く感じられるのだ。いや、感じられるだけではなく、実際狭くなっている。

理由は簡単。

 

小隊が増えたにも係わらず、二課棟には殆ど手を着けられてはいないからだ。

 

元々が倒産した機械工場を安値で買い取って使用している特車二課棟。元工場だけあってかなり広いのだが、流石に一個小隊でレイバー、レイバーキャリアー、指揮車各4台、更にそれがあと2個小隊分もあれば狭くもなるだろう。しかも第三小隊分の機材は、第一小隊と第二小隊のハンガー内に間借り状態で置いてあるのだ。

後藤が聞いた話では、その内増築工事をやるらしいが何時になるかまでは解らなかった。

だが、幸運なことに特車二課棟の居住環境は、費用が新世紀二年度の警視庁と警察庁予算(四〜六月期)から支給されたのでかなりの改善が見られていた。テレビが多チャンネルのケーブル式に(それまでは手回し式で12チャンネルしか写らなかった)、NTTのISDN回線(2回線分)と携帯電話の送受信アンテナを設置(警電(警察電話)以外は旧式回線の古式ゆかしい赤電話しか無かった。無論、携帯は電波が届かなかった)、やや旧式ながらエアコンを二課棟全部の部屋に設置(それまでは電算室にしか設置されていなかった。アキバの大安売りで大量に購入したそうだ)等々、それまで「パトレイバーに使っていた予算」を本庁(警視庁)とサッチョウ(警察庁)は「予算の追加分は人間に」使うことにしたらしい。人間が増えるから、居住環境の改善は当然と言えば当然なのだが。

ただ、出前を上海亭に頼むことや東京湾への出漁、ビニールハウス等での作物の栽培、養鶏は未だに行われていた。食の改善は行われなかったのは、上記の結果、食事関係にまで予算が回らなかった為だ(爆笑)。それでも特車二課への予算配分が前年度比で二割り増しなのだがら、ここで文句を言ったら罰が当たるだろう。

 

「これで喫煙室があればもっと良かったんだけどね」

小隊長室では煙草が吸えないため、喫煙室は是非設置して貰いたかった後藤であった。小隊長室で煙草を吸うと第一小隊長の南雲しのぶに思いっきり睨まれるから。

 

 

 

今日も特車二課第二小隊は平和であった。

 

 

 

 

 

さて、機動隊観閲式の会場ではもう間もなくパレードが行われる手はずになっていた。

マスコミ関係各社、警視庁・警察庁の広報、来賓等が始まるのを今や遅しと待っている。

「二年ぶりか、観閲式をやるのは」

警視庁警備部警備第一課課長の高見公人警視正は誰にともなく呟いた。彼の目の前には、今や遅しと出番を待つ警備部直属の各機動隊員が、整列しながら待機している。

警視庁警備部所属機動隊員約四五〇〇名。第一〜第九までの各機動隊の基幹隊員は一個隊に約四〇〇名。他に、特型警備車等の装甲車や投光器の様な大型機材を配備している特車一課(特科車両隊)、日本連合で急造してきたレイバー犯罪に対応するためパトレイバーが配備されている特車二課、通常の機動隊が対応できない凶悪犯罪に対抗するために新編成され、SMG等の火器を装備した銃器特別対策班。

そのごく一部ではあるが、日本の治安の先兵が集結している様子はまさに圧巻であった。

そして、その全ての部隊に指揮権を持つ高見公人は今更ながら、自分の権限と責任の重大さを認識していた。

時空融合以前は権限ばかりを重視して、責任を取る事は全く頭になかった上司や同僚。だが高見はその中にあっても、それに迎合する事は決してなかった。

時空融合後の日本連合において、高見が警視庁警備部警備一課長という重職を拝命されたのは、その責任感の強さと頭脳の柔軟性故かも知れない。

 

「高見君、どうしたんだ。ボウッと突っ立って」

「あ、佐々さん。いえ、観閲式やるのも随分久しぶりだな、と思って」

高見の肩をポンと叩いたのは警察庁警備局警備課長の佐々敦之警視長だった。

機動隊観閲式の警察庁からの来賓は、警察庁長官、警備局長、警備局参事官、そして警備課長の佐々の四人である。

「そうだな、去年はそんな余裕は無かったし」

佐々も相槌を打った。時空融合直後は、各組織の混乱期と言ってよかったほど、各世界の年代を超えた人材が各地に出現していた。警察も例外ではなく、高見の世代では国会議員の大物政治家だった人間が、警察庁公安課課長代理として出現していたり、佐々の若い頃の上司が、その当時の階級で警察庁警備局長として出現していたりもしていた。

その後は、俗に言う「悪の秘密組織」やテロ組織の活動が盛んになってその都度警備部や公安部も忙しく、昨年度だけでも住民の避難誘導等も含めて一〇〇回以上の出動を記録していた。

六〇年安保・七〇年安保闘争時程ではないが、出動回数も機動隊や公安部私服警官の受傷者もかなりの割合に上っていた。

特に新世紀元年一二月三〇日の臨海副都心における「ショッカー」による人質事件では、当時の当番隊だった第四機動隊と所轄警察署である湾岸警察署の警官隊による強行突入を行ったのだが死者が出なかったのが不思議だった位と、後に言われている。その代わり、受傷者は五〇人ほど出たが。

「ま、こう言うことを出来るのも、もしかしたら今回が最後かも知れない」

佐々の言葉に高見も無言で肯いた。危機管理の第一人者の言葉の持つ意味は、強く、そして重かった。

 

「おや、どうしたんですか、一課長」

「加賀一機隊長。いや、ちょっと激励がてらに来たんだけど、つい彼と話し込んでいたんだよ」

蒼いポリカボネード製のヘルメットを脇に抱え、紺色の出動服を着た第一機動隊長の加賀三郎警視。それが声の主であった。

ちなみに、加賀の言う一課長とは高見のことを指すのではなく、佐々のことである。

時空融合する前の加賀の直接の上司である警備第一課長、実はこの佐々敦之であった。いや、第一から第九機動隊までの内、第一、第二、第三、第四、第五機動隊の隊長及び隊員達にとって一課長と言うのは佐々の事を指したのであった。

現在の警備第一課長である高見は苦笑してはいるが、別段なんとも思っていないようだ。佐々の力量は知っているつもりだから。

学園紛争・七〇年反安保闘争時に警備一課長を務めたのは他でもない、この佐々敦之であった。常に機動隊員と同じく前線に出て、しかもヘルメットも被らず、防護服も着ず殆どの場合私服で臨んだ為、第一線の人間からは信頼と信用の両方を得ていた。そのため、当時の機動隊員は警察庁の警備課長になった今でも佐々を「一課長」と呼ぶのだ。

自分達の仲間、というニュアンスを込めて。

そして高見自身、佐々に憧れて警察官になったのだから、妬むような感情は全く抱いてはいなかった。

「一課長、そろそろ戻らないと不味いんじゃないですか?」

「あ、本当だ。もう戻らないと。それじゃあなサブ」

旧知の間柄のため佐々は加賀をあだ名で呼んだ。

「加賀さん、テレビ、全国中継だそうですから、気を付けて下さいね」

「プレッシャーかけるなよ。・・・一課長それでは」

加賀の挙手の礼にに対し答礼する元一課長と現一課長。

「さて、俺達もそろそろ戻ろう。もしかしたら、総監のデカイ雷が落ちる寸前かも知れないな」

「畑野警視総監なら落としかねませんね。それでは自分もこれで」

加賀が自分の隊に戻るのを見やり、今度は高見が同じように挙手の礼をして、戻っていった。

過激派警察官を自称している畑野彰警視総監の雷を、時空融合以前に何度も浴びている佐々は苦笑しながら自分も歩き出した。

「俺も早く戻らないと五島田長官から雷を食らうな。何時になっても元気なお爺ちゃんだよ、ホント」

警察庁長官五島田正治、通称「カミソリ五島田」。既に七〇を越えている、佐々のかつての上司であり、現在も上司である骨太の謀将も怒ると怖かった。

 

 

 

 

「ん? そろそろじゃないか。観閲式」

時計を見て遊馬。

書類整理も終わり、特車二課第二小隊の全員が機体や車両のチェックをしていた。優秀な整備班がいるため整備は完璧だが実際に使用する者のチェックは欠かせない。・・・腕は良いのだが、性格的に問題があるのが多いのは何処ぞの機動戦艦クルーと通じる物が有ると思うのは気のせいではあるまい(笑)。

「観閲式の放送って絶対見なきゃダメなのかな?」

イングラム一号機、アルフォンスにワックスをかけていた野明が、未練をこぼしながらツナギ姿のまま降りてくる。

「しょうがないんだよ、本庁の偉いさん達みんな張り切って今日の準備していたんだからな、っと」

遊馬も指揮車の屋根から飛び降りる。

この観閲式には二つの意味があった。一つは身内の警察官に対して、警察は此処まで立ち直ったんだぞ、と見せつけ全国の警察官の士気を高めるため。

もう一つは彼等が守るべき日本連合市民に対して。「機動隊此処にあり!」と言う姿を見せることによって、善良な市民に対しては安心感を。そうでない者には抑止力としての示威活動だ。

ちなみに警察庁からのお達しには「手透きの者は出来るだけ見るように」であったが、現場の一番下に来たときには「手透きの者は見るように」になってしまったのだ。この辺りの命令錯綜は改善を要する所である。

そんな事とは知らず、現場の人間である野明達はテレビが置いてある食堂へと向かった。

そして山崎は給湯室に行ってお茶を入れに、杉田はお茶菓子を探しに休憩室に、みどりは後藤と整備班長の榊清太郎を呼びに、それぞれ行ったためまだ食堂には来ていない。

食堂のテレビも多チャンネルケーブル式だが、テレビ自体は(彼等の感覚で)二世代ほど前の物で平面画像でも薄型ボディでもない。秋葉原の専門店で警視庁総務部会計課の職員が値引き倒してきた一八インチのテレビが、今は見やすいようにテーブルの上に鎮座していた。

「でもさ、こんな立派なテレビがあるのに、映すチャンネルがNHKだけってのは絶対に機能の無駄遣いだぞ」

遊馬の皮肉癖は毎度のことで、回りからも忠告はされているのだが、やはりそう簡単には治らないらしい。

何時も昼休みにテレビは点けられるのだが、放映するのはされるのはお役所の定番であるNHKの「お昼のNHKニュース」と「昼時ニッポ○列島」、「連続テレビ小説」位なのだ。

流石に、それ以外の時間帯は何処の放送局を流しても文句を言われたりはしない。プレイボーイチャンネル以外は。

「仮にも一応公務員が、昼間っからバラエティ番組を見るわけにもいかんでしょうが」

「た、隊長! 気配を消して話し掛けないで下さいよ。心臓に悪いったらありゃしない」

「慣れろよ」

いきなり後ろから話し掛けられてビックリした遊馬が文句を言うが、無茶なことをあっさり言って遊馬の抗議を切り捨てる後藤。

確かに昼休みに「午後は○○。思いっきり○レビ」や「笑って○いとも」を見ている役所は少ない。それに年輩で役職が上の人間に限ってNHKをよく見ているのだから、それを差し置いて他のチャンネルに回すのはなかなか勇気がいる行為である。

 

【注! 役所の昼の定番が国営放送であるというのは実話です。現役の役所勤めしている人間が言っているんですから(苦笑)】

 

「皆さんお茶が入りましたよ」

お盆の上に一〇個以上の湯飲みと急須とお茶っ葉を入れた茶筒、お湯の入ったポットを持って山崎もやって来た。

「お茶請け持ってきました」

茶菓子を取りに行っていた杉田も、ビニール袋に大量の茶菓子を入れて食堂に戻ってきた。

「え〜と、警察チャンネルって何番だっけ」

さっきから野明がリモコンをいじってチャンネルを探しているが、数百ものチャンネルが在る為まだ見つかってはいなかった。

「チャンネル110よ」

直ぐ隣でチャンネル表を見ていた香貫花=クランシーが助け船を出す。

「110番が警察チャンネルですか。ジョークが効いていますね」

「まったくだ」

進士の言葉に太田が相槌を入れて皆が肯く。

ちなみに、消防庁の専用チャンネルは119,海上保安庁は114である。

 

『これより新世紀二年度、警視庁機動隊観閲式を行います』

 

「あ、始まりますよ」

テレビのナレーションとみどりの声により、一同画面に目を向ける。

 

 

 

 

警視庁のブラスバンドが勇壮な音楽を奏でている。

機動隊賛歌と言える「この世を花にするために」だ。この曲は学園紛争の最中、機動隊の士気高揚の為に作られた歌である。その後も機動隊の愛唱歌として新世紀二年の今尚歌い継がれている、決してヒットチャートに載る事の無い隠れたヒット曲なのだ。

歌手は箸幸雄。作曲、猪股公正。作詞、河内康則。

 

 

『まず、最初に入場致しましたのは第一機動隊です』

アナウンス嬢の声が会場全体に響きわたる。

隊長を先頭に入場のゲートから四列横隊で行進してきた第一機動隊。

青いポリカボネード製のヘルと紺の出動服に身を固めた約一〇〇人、一個中隊の隊員が整然と行進してくる。左手にはジュラルミンの大盾を持っている。

『先頭を歩きますのは第一機動隊長の加賀三郎警視です。警視庁機動隊で最も伝統のある部隊で、「旗本の一機、近衛の一機」の異名を持っています。隊本部は九段下、丸の内公園の向かいです』

加賀の後ろには第一機動隊のシンボルマークである、アラビア数字の1に隼の翼と足、そして数字の中央には桜の花があしらった機動隊旗を掲げる隊員が続く。

「かしらぁ〜! 右!!」

加賀の号令により第一機動隊員達は、一斉に顔を右に向け主賓席で起立している五島田警察庁長官と畑野警視総監に敬礼をする。二人は挙手の礼でそれに対し返礼をし、他の警察幹部も同様に挙手の礼をする。

 

 

『続きましては第二機動隊です。』

第一機動隊と同様、約一〇〇人の隊員が四列横隊で行進する。

青いヘルメットと出動服を着ているのは先程と変わらないが、左肩にガス筒(ガス弾発射用のグレネードランチャー)の発射機を吊っおり、左手でそれを保持していた。

『先頭を歩きますのは第二機動隊長の内田直隆警視。第一機動隊と同様、機動隊創設時以前の警視庁予備隊時代からの精鋭部隊です。「カッパの二機」の異名を持っており、これは同隊に警視庁で最初の水難救助隊が設置されたためです。隊本部は荒川』

第二機動隊のシンボルマークは円が二つ、その中央に桜の花である。

 

佐々は内田の姿を見て胸が熱くなるのを感じていた。

佐々が時空融合する以前、冬の長野県の警備活動で警察庁派遣幕僚長を務めたことがあった。その時彼が指揮したのが当時の警視庁第二機動隊と第九機動隊で、その時の第二機動隊長が他でもない、内田だったのだ。

そして不幸なことに内田隊長は、その事件で人質を取って軽井沢の別荘に立て籠もった犯人の凶弾に倒れ殉職してしまった。

「連合赤軍浅間山荘事件」における二人の殉職者の内の一人が、彼、内田直隆であったのだ。

彼等を殉職させてしまった佐々は、事件後もその事を悔やみ続けていた。

そして時空融合後、再び内田と再会した時の佐々の気持ちは例えようが無い喜びであった事は想像に難くないだろう。

 

 

 

「杉田、おかしいと思わんか」

「何がです?」

テレビを見ていた太田が不意にお茶をすすっていた杉田に話し掛ける。

「何故いきなり一機の連中が出動服で行進しているかが、だ」

「あ、そう言えば」

杉田もその事に気が付いた。これまでの観閲式では最初の部隊は制服姿で行進していたのに、今回は最初から出動服で臨んでいたからだ。

因みに太田と杉田は特車二課に配属される以前は、それぞれ第四機動隊と第六機動隊に所属していたという。

「後の方で面白い出し物でも在るんだろ」

同じように茶をすすりながら遊馬。

「出し物ねぇ。・・・何かなぁ?」

野明も何とも無しに興味を持った。

『続きましては第六機動隊です』

そして「出し物」の番になった。

 

 

 

『続きましては第六機動隊です』

彼等が入場した途端、周囲の見学者から「おおっ」と歓声が上がった。

今まで出てきた第一〜第五機動隊は装備の違いがあったが、全員が紺の出動服の姿であった。

しかし、第六機動隊員達が着用していたのは、黒く塗装された強化プラスチック製のヘルメットとプロテクターだった。左手には「警視庁」と印字された透明な強化プラスチック製の大盾を持っていた。

「近未来警察」。出席者の脳裏にはそんな言葉が浮かんでいた。

警察幹部の多くが「警察戦国時代」と呼ばれる「六〇年・七〇年安保闘争」時からの時空融合者で在ったから彼等も例外ではなかった。

『先頭を歩きますのは第六機動隊長の井之上雪彦警視です。御覧のように、近未来型機動隊スタイルでの入場です。城南地区を担当としているため「潮の六機、若鹿の六機」の異名を持っています。隊本部は勝山です』

若鹿の角をシンボルマークにする。角の数は部隊番号と同じ六本だ。

六機の担当地区には、成田空港の消滅によって国際便の離発着のため拡張された羽田空港がある。

 

 

 

「まるでNY市警のSWATみたいね」

元NY市警警官だった香貫花は六機の新型出動服をみてそう言った。確かにアメリカの各市警が保有する特殊火器戦術部隊SWATを彷彿させるスタイルである。しかし「通常の」機動隊員である彼等はSWATの様な特殊な訓練を受けてはいない。

 

但し、観閲式に来てはいないが、「通常ではない」機動隊員はその特殊な訓練を受けている。日本警察が持つ唯一の特殊部隊であり、日本の最後の治安の砦、特殊強襲部隊、通称「SAT」。旧西ドイツ第九国境警備隊(GSG−9)を模して創られ、同部隊で極秘訓練を受けた者達だ。

彼等SATが日本連合で正式に「出動したことになっている」事件は、前述した新世紀元年一二月三〇日に起きたショッカーによる人質事件後に行われた「ショッカー秘密基地強襲」である。

因みにSATは書類上、第六機動隊第七中隊として登録されている。しかし、危機管理上の理由によりSAT隊員は警察名簿には載っておらず、家族にもその事は知らされることはない。

現在SATは警視庁の他、大阪府警、北海道警、千葉県警、神奈川県警、愛知県警、福岡県警の政令指定都市にある警察に配備され、警察庁の命令で動くようになっている。

六機にSATが配備されているのも、SATの主な任務がハイジャック対策であり、六機が羽田空港の警備担当だからだ。

 

「お、なかなか恰好イイじゃん。旧型の野暮ったい青虫みたいなのと違って」

カッカッカッ、と笑いながら皮肉混じりの感想を言ったのは例によって遊馬だった。遊馬は何時如何なる時でも皮肉を言わなくては気が済まないのかも知れない。

しかし。

元とは言え、機動隊員の前で言って良い台詞ではないとは気が付かなかったようだ。

「ウゲギョ!!」

「遊馬さん。旧型出動服が、何ですって?」

何時の間にか遊馬の背後に立っていた杉田は、音も無くチョークスリーパーを極めていた。

「ヂョ、ヂョーグッ、ヂョーグッ・・・・・・!」

潰れた蛙のような声で降参しようとする遊馬。右手も杉田の腕をタップしている。

「え? 何ですか? 日本語で言ってくれなけりゃ解りませんよ」

だが、杉田は何も聞かない振りをしていた(爆笑)

柔道二段のチョークスリーパー。・・・・・・・・・決して味わいたく無い。

(遊馬、ゴメンね)野明。

(篠原、成仏しろよ)太田。

(篠原君、皮肉癖治さないとその内本当に死ぬわよ)熊耳。

(あわわわわ)山崎。

(遊馬さん、何も出来ない僕を許して下さい)進士。

(自業自得ね)香貫花。

(お〜お、若いもんは元気があって良いね〜)後藤。

皆、思い思い篠原の身を案じていた。

決して口には出さないが(大爆笑)。

(あのチョークスリーパー。相当できますね杉田さん! 絞め具合、効果共に一級品です!!)みどり。

ただ一人を除いて(核爆)。

 

空谷みどり。

可愛らしい顔立ちであるが、大のプロレス好きであった。

 

 

 

埋立地で馬鹿なことが行われている間にも、観閲式は続いている。

『続いては特科車両部隊です』

既に本機の観閲が終わり、特車部隊の出番になっていた。

これまでの機動隊と違って隊長は徒歩ではなく、車両の天辺から上半身を出した状態で敬礼をしている。

『先頭車両に搭乗していますのは、特科車両一課長と特車隊長兼ねます、小林繁之警視です。元は第一機動隊に所属する中隊規模の部隊でしたが、その後独立し、高圧放水車、特型警備車、投光車、装甲輸送車等を装備する、機動隊の機甲部隊として活躍し「技術の特一、支援の特一」の異名を持っております。第五機動隊と同じく市ヶ谷に隊本部を置いています』

バックに桜の花をあしらい、中央に三台の特化車両、その上には虹が描かれているイラストが特車一課のシンボルマークだ。

特型警備車とは一種の装甲車だが、砲塔には機関銃ではなく放水銃が取り付けられており、銃弾の中でも高圧放水ができる機能を持っている。

更に、今はまだ配備されていないが二式特型警備車という技研の「二式シリーズ」の警察警備用装甲車が評価試験中であるらしい。【森泉さんの許可が出れば登場させる予定です】

 

 

『続きまして特科車両二課です』

いよいよ特車二課の出番が来た。

『先頭を進みますのは、特科車両二課パトロールレイバー中隊中隊長代理の南雲しのぶ警部補です。レイバー犯罪に対抗する部隊で、現在三個小隊、一二機のパトロールレイバーで編成されております。機種は篠原零式AV、篠原九八式AV、篠原九八式AV−Sの三機種を導入しています。「万能の特二」の異名を持っており、対レイバー任務の他にも様々な任務をこなすことが出来ます。隊本部は臨海地区』

しのぶは指揮車の天蓋から上半身を覗かせ、挙手の礼をする。その後ろからは第一小隊の零式AV「ピースメーカー」が四機縦隊で徒歩行進を行っていた。その後方には同じように第三小隊が続く。

四月に正式結隊された第三小隊は初代小隊長に相沢義衛警部補。指揮下のパトレイバーは篠原九八式AV−Sで、早い話がイングラムの簡易量産型である。それを四機運用しており、新設部隊ながらも既に第一線で活躍している。

篠原九八式AV−Sは部品は他の篠原AVシリーズと共有化されているがイングラムやピースメーカーほど高性能ではない。しかし、イングラムよりも調達価格が安価でいてそれなりの性能も持っているため、警視庁に正式採用された機体だ。

例えるなら、イングラムがガンダム、AV−Sがジム、ピースメーカーがガンダムMK−U、と言ったところかも知れない。

 

 

 

「流石に緊張してるね」

画面に映った相沢を表する野明。

「そうね。第三小隊が出来てからまだ二ヶ月も経っていないのに、観閲式で行進ですもの」

熊耳も相づちを打つ。

テレビ画面上の相沢の表情を見ると、確かに強張った感じである。対するしのぶは堂々として、それこそ対照的であった。

「泉さんも出たかったのかしら」

「う〜ん。アルフォンスがみんなに注目されるのは嬉しいけど、これはなんか見せ物みたいでヤダな〜」

野明の率直な意見に皆苦笑する。

「おおおおおおっ!!!」

太田がいきなり奇声を上げた。

「ど、どうしたんですか。太田さん」

ビックリする進士が声を上擦らせながら太田を見る。

そして太田の目線の先―テレビの画面を見る。

其処には、銃器対策班が持つサブマシンガンが映っていた。

「た、隊長。あの機関銃は特車二課には配備されんのでしょうか!」

「在る分けないでしょ。第一、何に使う気だい、お前は。ライアットガンが在れば十分でしょうが」

「し、しかし、ライアットガンよりも小型のあの機関銃であれば、使い勝手も良く、イングラムへも楽に収容できると思います! 護身用にももってこいです! 是非我が隊へも配備を!!」

掴みか掛かろうかという勢いで後藤に迫る太田。銃器特別対策班のSMG(サブマシンガン)を気に入ったらしい。

「ただ撃ちたいだけだろう、お前の場合」

丁度そこに、いつの間にか復活した遊馬の突っこみが入る。

「うぐぅ!!」

図星の太田。・・・・・・・・・どこぞの鯛焼き連続窃盗犯のような(爆笑)呻き声を上げる。

 

(だってよ、あゆあゆ)

(うぐぅ。ボクあゆあゆじゃないもん!)

 

「まったく、お前の頭には銃をぶっ放す事しか無いのかよ。それだからトリガーハッピーとか歩く溶鉱炉とか人間火薬庫とかマッドポリスマンとか言われるんだぜ」

「篠原〜〜! きっさま〜〜〜〜〜〜!!!」

たちまち顔を真っ赤にした太田が乱闘を開始した。

 

 

何度も言うようだが、今日も特車二課第二小隊は平和であった。

 

 

 

 

終わり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

警視庁警備部の編成・指揮系統(新世紀二年五月二五日現在)

 

 

 

  警視総監(畑野彰)──警視庁を統べる、警視庁四万警察官の総責任者。

    警備部長(正木俊介警視監)──警備部の責任者。警備部の全部隊、SATへの命令権も持つ。

     警備部参事官──警視総監、警備部長を補佐する。

      警備第一課長(高見公人警視正)──機動隊の指揮・運用を担当する。デモの許認可も下す。

      警備第二課長──機動隊の警備訓練、装備研究・調達を行う。

 

      警護課長──SP(セキュリティーポリス)を運用する。日本連合首相、国務大臣、各政党幹部、国賓の身辺警護を行う。

 

      災害対策課長──災害警備の計画と実施。災害現場での事故捜査も行う。レスキュー隊が所属している。

 

      機動隊各隊──治安維持・災害派遣・雑踏警備を行う実働部隊。デモや国家行事の警備にも出動する。

      第一機動隊─二個大隊・基幹四個中隊

      (加賀三郎警視)     特機二個中隊

                     特車一個中隊

 

      第二機動隊─二個大隊・基幹中隊四個

      (内田直隆警視)     特機中隊二個

 

      第三機動隊─(同上)

      (八島賢一警視)

 

      第四機動隊─(同上)

      (飯田重太郎警視)

 

      第五機動隊─(同上)

      (柳敏夫警視)

 

      第六機動隊─二個大隊・基幹四個中隊

      (井之上雪彦)      特機二個中隊

                     特殊部隊一個中隊(書類上)

 

      第七機動隊─二個大隊・基幹四個中隊

      (池田勤警視)      特機二個中隊

 

      第八機動隊─(同上)

      (穂刈純一郎警視)

 

      第九機動隊─(同上)

      (大窪伊瀬雄警視)

 

      特科車両課──機動隊の支援を行う、特殊車両を運用する。

      特科車両一課(特車隊)─基幹特車中隊四個

      (小林繁之警視)       特機特車中隊二個

 

      特科車両二課─パトロールレイバー中隊一個

      (福島 警視)   (三個小隊まで編成完了)

 

      その他の警備部所属部隊

      銃器特別対策班─二個中隊

      (SMG等を装備した警備部隊)

 

      特殊強襲部隊(SAT)─危機管理上非公開

      (書類上は第六機動隊第七中隊と記載)

 

      首相官邸警備隊─二個中隊

      (自動小銃、グレネードランチャー等を装備した官邸警備専門の部隊)

      (ディビジョンMが非常勤待遇で所属。つまりアルバイト(?))

 

      (謎の忍者部隊?)

 

 

 

 

 

 

 

 

勝手に設定、警視庁警備部編です。

警視庁の花形部署の一つである警備部。その編成を徒然なるままに書いてみました。

 

ここで上げた人名には半分以上に実在のモデルが居ます。

 

警視総監は70年闘争時代の闘将、秦野章氏で、国会議員にもなっています。

 

警備部長は特撮三部作で主役を食うほどの存在感あふれるキャラクターだった正木俊介本部長です。原案は錬金術師さんです。

 

機動隊の各隊長達も警視総監と同様で、1機、3機、4機、5機、7機は学生運動が最も激しかった頃の隊長達で「3K上等!」と言うような方々ばかりです。

 

2機、9機隊長は「連合赤軍浅間山荘事件」事の指揮官で、2機隊長のモデルとなった内田尚孝警視長は浅間山荘で殉職された内の一人です。

 

8機隊長と警備一課長は、元ネタは「ときめきメモリアル1&2」に出た穂刈純一郎とドラマCDの主人公、高見公人です。穂刈は剣道部だというオフィシャル設定があり、剣道で優秀な成績がある学生は警察に就職すると聞いたのでこうなりました。

高見公人はドラマCD内で「一流大学入学」とあり、其処から想像を膨らませ「一流大学卒→頭脳明晰→国家公務員一種受かるかも→警視長のキャリア」と、頭の中で形成されまして、相成った訳であります。

 

 

畑野彰→秦野章

 

加賀三郎→石川三郎

 

内田直隆→内田尚孝

 

八島賢一→九島賢一郎

 

飯田重太郎→飯野定吉

 

柳敏雄→青柳敏夫

 

井之上雪彦→井上幸彦

 

池田勤→池田勉

 

大窪伊瀬雄→大久保伊勢夫

 

敬称略

 

 

 

 

お詫び

 

アイングラッドさん、岡田雪達磨さん、勝手にこんなの考えてしまって済みませんでした。

特に警視総監を勝手にいじってしまって。

錬金術師さん。SAT指揮官より警備部長の方が個人的にしっくり来たのでこういう風にしてしまいました。申し訳ありません。

 

 

秦野氏名(迷?)言集

 

ゲバ学生の闇討ちリストに載ったとき、部下が身辺警護を付けると言ったときの言葉。

「何を言っているんだ、お前達は。警察官てえのは国民を守るものだろ? 警官に警官の護衛をつけるなんてのは、駆逐艦が駆逐艦を護るようなもんだ。駆逐艦てえのは商船、護るんだろ? オレはなあ、昔、兵庫県警の捜査二課長の時に、拳銃を腰にブチ込んでな、暴力団の本部へガサかけに先頭立ってのりこんだもんだ。そうだ、今日からオレは拳銃、常時装填、常時携行だ。車にボディガード同乗させる? いらねえ、いらねえ、内側からドアはロックしてな、オレが自分で自分を守る。オレを襲ってみろ、バーンッってくらわしてやる!」(自称過激派と言うだけのことはありますな)

 

他にも、機動隊の出動服の難燃加工を施すときに、来年回しにすると言った官僚をかなり強引に説き伏せ、警察庁の当時の警察庁次長だった後藤田正晴氏に予算の取り付けを行ったり、機動隊員の顔面火傷防止用の絹製マフラー五千枚分を「何処からともなく」ぶんどってきたそうです。

(秦野氏に対抗できる警視総監なんてジェイデッカーの警視総監くらいですね(爆笑))