安全保障政策会議もようやく深夜になって終了した。
 だが、加治首相の仕事が終わったわけではない。これから決定事項をマスコミを通して国民の前に発表しなければならないのだ。
 首相官邸内記者会見室には、近くは都内を始めとした国内各地の、遠くは中華共同体やアメリカ、エマーンからまで、内外の報道各機関の記者たちが集まっていた。

・・・連合通信社、森本です。これから加治首相の記者会見が始まろうとする、ここ首相官邸記者会見室からお送りいたしております。
 今朝方、私が指摘したようにゴモラ襲来事件、第二次使徒防衛決戦、謎のエヴァンゲリオン暴走事件、そしてイリス襲来事件の全容公開と対応政策の提示がなされるか、全国の期待が掛かっております。
 引き続きこのチャンネルを御覧になって下さい。





スーパーSF大戦 外伝

加治首相の議

第五話 安全保障会議

Eパート 記者会見





 加治首相自らが、国民の前に立ち今日の決定を伝え始めた。

「では、本日の安全保障政策会議で決定した事項をお知らせします。ゴモラ襲来事件から今日まで数多くの防衛上の不備が判明いたしました」

 ここで会見室内はざわめいた。しかし、加治首相が記者たちの動揺に同ずる事無く自信を持った口調で発表を続けたので、場内は直ぐに収まった。

「問題点とその解決策は以下のとおりです。予め言っておきますが、ポケットから直ぐに鳩を出す様な訳にはいきませんので、対策が完成するのはまだ先の事になる事をご承知ください」

 軽いジョークに続けて、政府の対応計画を発表していった。
 怪獣、敵性潜水艦、使徒の各対策、そして自衛隊の更なる改良が発表されていった。

「・・・と言う事で、陸海空特の四自衛隊間および協定を結んでいる国際防衛組織間で統合指揮が必要になった事を考え、統合幕僚会議を発展的に解消し替わりに統合幕僚本部を設置し統合作戦を指揮させる事にしました。また、防衛省でも自衛隊が有効的に働ける様に、有事規約ROEの年内制定を目指して研究を開始しました。以上今日決まった事は、明日連合議会に法案として提出し、今月中にも成立させたいと考えております」

 ここで記者からの質問を受け付ける事になったが、長身碧眼の記者が目立った行動を取ったので彼から質問する事になった。

「私はアメリカの海外特派員スティーブ・マーチンと申します。私も怪獣王ゴジラが暴れた世界から来た事もあって、怪獣に対する政府の逸早い政策には感心しております。しかし、首相は肝心な事を発表なされておりません。新ヤイヅシティを灰塵に化したゴモラ、それと対峙し良い所まで追い詰めたエヴァンゲリオンについて首相は一言も触れておりません。その後の第二次使徒決戦で暴走し、パイロットが死にかけたと言う未確認情報も入ってきております。エヴァンゲリオンについてもっと情報を出してください」

 この質問に記者達からそうだそうだと言う喚声が上がっていた。
 その声に押されて加治はエヴァンゲリオンについて発表していった。

「まずエヴァンゲリオンは元々の世界から切り離されてこの世界に融合しました。エヴァ本体とパイロットしか出現しませんでしたので、構造上の秘密事項がまだ残っている事をまずご承知ください」

 加治はエヴァについて公表しても構わないと判断した事を発表していった。
 すなわち、エヴァンゲリオンのパイロットはエヴァ一体に一人であり、乗換えが出来ない事。
 ATフィールドと言う難攻不落の障壁の存在。
 これがあるが故にゾンダーや怪獣、使徒という謎の敵性体との戦いに参戦させた事。
 パイロットも知らなかった過剰シンクロによる操縦者の溶解現象が発生し、エヴァンゲリオンが暴走した事。
 幸いにも過剰シンクロが収まりパイロットが生還したが、人事不省の状態のままで回復の目処が立っていないことを発表した。

「以上の経過を説明できる理論も無い事から、エヴァンゲリオンは人類の手に余るものと断定し、一度は廃棄処分の判断を下しました。しかし通常兵器が役に立たなかった使徒がまだ存在している可能性が有るという調査結果を受けて、残念ながら廃棄処分は取り消しました。しかし厳重に保管し、他に手段がなくなるまで出動させる事は控える方針です」

 ここでパイロットについて詳細を知らせて欲しいと質問が出た。しかし。

「パイロットの詳細は勘弁してください。多くのスーパーロボットのパイロットが未成年であったようにエヴァのパイロットも未成年でした」

 この情報に記者たちは色めきたった。未成年を戦場に送っていた事実が明らかになったからである。

「皆さんの、動揺は理解しております。私もエヴァの暴走が知らされたとき少年を戦場に送っていた事に後悔しました。しかし、時空融合から自衛隊の出動態勢は最近まで全く麻痺しており、出現した敵の能力から自衛隊が出動しても撃退できなかった事は明白な事実であります。しかしそれを理由に少年を戦場に送り出す事が許されるわけは有りません。今までは非常事態中であり彼らの他に出動できるものがいなかったのでやむを得ず出動させていましたが、これからは彼らに限らず未成年者は戦場に出さない方針をとります」

 未成年者であるスーパーロボットのパイロットの教育に政府が責任を持って当たる事も公表した。
 暫くは連合議会でもこの問題で揺れたが、事件中加治首相も最前線に出たことも伝わり始め、他の政治家より首相に相応しいということが再確認されたので、低下していた支持率も徐々に上昇していった。


 ところ変わって、数日後の航空自衛隊幕僚監部。

「神田幕僚長。首相の方針に従えば、私の子供たちは大人になるまで戦闘機に乗れなくなります」
「まぁまぁ、取石一佐。少し落ち着いてくれ」

 民営自衛隊の一つで戦闘機部隊『ハミングバード』を指揮していた取石一佐が神田空幕長に詰め寄っていた。先の首相記者会見で、未成年の戦闘参加を否定する方針が出された為、取石一佐の子供たちで編成されているハミングバードも出動が出来なくなっていた。
 取石一佐に詰め寄られて、若干鼻の下を伸ばしていた神田も彼女たちの取り扱いについて考えていた。

「首相は『戦場に出さない』と仰っていたんだ。広報部隊として、武装を外して戦闘機に乗せ続けられないか検討するから、もう少し時間をくれないか」

 この提案でとりあえず矛先を治めた取石一佐であった。

 この検討結果がどうなったかと言うと・・・

(ハミングバードをもっと活躍させたい方、戦場でなければ空を飛べますよ!)


後書き
 以上で加治の第5話も一応終わります。前回の長さに比べると終わりの短い事(爆)
 ハミングバードの件は付け足しのようなものです。航空基地祭の目玉に出来ないかなっと思いまして。

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