スーパーSF大戦


第18話 掘り出された戦ぶね E−Part


 さて、翌日です。つまり2連休の初日です。
 今日は何の予定もないですね。と言うわけでもう一度お昼まで眠らせていただきます。
 おやすみなさい。
 ぐうぐう。
 すやすや。
 ぐうぐう。
 眠れません、さっきからお腹の虫がその存在を主張し続けてます。
 いまは午前8時ですか。ちょうど良いと言えば良いですね。
 起きるとしましょう。
  ・
  ・
  ・
 顔も洗って、着替えましたので朝食にしましょう。
 さて、流石に今日は空いてますね。
「おはようございます」
「あ、おはようルリちゃん」
「おはようございますテンカワさん」
「今日ルリちゃんは何処にも行かないの?」
「テンカワさんこそどうなんですか」
「オレ? オレは今日は留守番。ホウメイさん今までずっと休み無く働いていたじゃない? だから今日明日くらい休んで貰おうってね」
「大変ですね」
「うん、まぁ仕込みとかいつもと違うしね。そこら辺はまぁ佐世保の食堂時代の経験を活かしてさ。頑張るよ。それで注文は何にしましょうか?」
「それじゃ、朝定食のAをお願いします。量は少な目でお願いします。わたし、少女ですから」
「はいはい。それじゃ席に座って待っててね。直ぐ持って行くから」
 昨日特別扱いはイヤですって言ったのに。
「テンカワさん私、」
「今日は特別だからさ、他に誰もいないしね」
「・・・分かりました。」
 どうしてもテンカワさんのあの笑顔には勝てません。
 論破は出来るんですけど、する気が無くなってしまいます。
 反則です。
 ま、いいけど。
 しかし、現在ナデシコに残っている人の数は・・・
 思兼おはよう。
<おはようルリ>
<何か用?>
<現在低電力モード中>
 今ナデシコ艦内に残っている人数を教えて。
<分かった>
<所属部署も出す?>
 いえ、人数だけで良いわ。
<ナデシコ艦内にいるのは君たちだけだよ>
 2人!? 私とテンカワさんだけなの!?
<うん>
 道理で誰にも会わないはずです。
 しかし、いくら久しぶりの地上だとは言え、全員船を出てっちゃうなんてホントに・・・
「はい、ルリちゃんお待たせ。  どうしたの? そんなに驚いた顔をして」
「いえ、何でもありません。そう言えばテンカワさん、今日の昼食の仕込みって何人分してるんですか?」
「え、どうして?」
「いえ、少し気になった物ですから」
「ふーん、まあ6人位は食堂に来るかなって思ってるんだけど」
「現在ナデシコ内に残っているのは私とテンカワさんだけだそうです」
 あ、テンカワさん驚いた顔しています。
「あちゃ〜しまったな。多く仕込んじゃった」
 先に調べておけば良かったんですけどね。残念でした。
「そうかぁ、じゃあ今日の食堂はルリちゃんの貸し切りだね。リクエストが有れば用意しておくよ。何が良いかな」
「いえ、別に構いません」
「そう? 残念だな。それじゃあお昼は何にするかいっといてくれないかな。食材の用意もあるし」
「そうですか、それじゃあ・・・ラーメンでお願いします」
「ふーん。分かったよ。でも炭水化物ばっかりじゃ栄養のバランスが」
「私の場合、IFS強化用のナノマシンの維持にエネルギーが必要なので、カロリーの高い炭水化物が良いんです」
「へぇー。良く分かんないけどそうなんだ」
「ええそうなんです。それじゃいただきます」
「はい。どうぞ召し上がれ」
 と言うワケで朝食です。A定食はパンでした。軽めでちょうど良いです。
 今日はテンカワさんも暇そうですね。
 私も暇ですけど。


 まぁ結局そう思ってられたのは午前11時くらい迄だったわけですけど。


 特にすることがなかったので私はブリッジで「ファイティング・カンジス」で遊んでました。
 例の漢字のキャラクターを使って闘う、まぁ古典的なVS.物の格闘ゲームです。
 因みに私は「左」とかもよく使いますが「上」とか「下」も操作感が面白いので良く使います。
 相手は普通AIを使いますが、この「ファイティング・カンジス」は思兼でエミュレートした物ですので(ちゃんと使用料はネルガルが払ってるはずです。多分)、思兼が相手をしてます。どちらかって言うと対戦してるような感覚ですね。
 それはともかく、そろそろ飽きたなぁと思った所。
 チカチカと第2船体最下部の昇降ハッチのインターホンが押されています。
 誰でしょうか。
 ナデシコの人ならフリーパスで入れるはずですけど。
 外部の、と言うよりSCEBAIの人でしょうね、多分。
 監視カメラの映像を回してみました。
 すると、映像には中学生くらいの男女4人が立っているのが見えます。
 皆同じ制服を着てますから同級生でしょうか。
 こんな所にいるのは変な気がしますが、さて。
 とにかく確認してみましょう。
<SOUND ONLY>
 これは私が年下だと、妙に図に乗る人達が多いための処置です。
「もしもし、どちら様でしょうか」
『ぅおっと。アスカ喋ったよ』
『シンジ、あのねぇ。インターホンから声が聞こえたくらいで驚かないでよ』
『あははは、シンジくんおっかしぃの』
『・・・見学に来ました。入れて下さい』
 妙に騒がしい人達ですね。
 それはともかく、人の少ない戦艦の艦内に身元不明の人をいれる訳にも行きません。
 お引き取りを願いましょう。
「こちらナデシコブリッジ。許可無く艦内に立ち入ることは禁じられていますので。悪しからず」
『ちょ、ちょっと待ちなさいよぉ。許可なら貰ってあるわ。ほらコレが証拠よ』
 赤毛に髪飾りをした人が何か書かれた紙切れをカメラに突き付けました。
 そんなに近づけなくても映像は見えますよ。
『う、うっさいわねぇ。分かったでしょ。さぁ早く入れなさいよ』
 何を勝ち誇ってるんでしょう。大きく胸を反らせています。
 まぁ、とにかく書類は本物のようですが。どうしましょうか。案内係りの人なんて居ませんし。
 取り敢えずSCEBAIに連絡を入れて事実の再確認とあと艦長に判断を仰ぎましょう。
「それでは今から再確認しますので、少々お待ち下さい」
 赤毛の人の顔が赤く変わりました。結構短気な方のようですね。
『なにグズグズしてんのかしら。全く』
『アスカァ、いきなり押し掛けてきたのはこっちなんだから。そんな事言ったら悪いよ』
 怒りだした赤毛さんを黒一点さんが慌てて宥めます。
 それを笑いながら見つめる栗毛さんと冷静に眺める蒼髪さん。
 どういった人達なんでしょうか。どことなく興味がありますね。
 それはともかく艦長に連絡をしましょう。
 コミュニケは、圏外ですか。
 コミュニケの電波を遮るということはよっぽど電磁波対策がシッカリしてるんですね。
 それか盗聴防止か。まぁとにかく連絡しましょう。
 赤毛の人が痺れを切らすといけません。
 さて、SCEBAIの内線に繋ぎましょう。
 テルルルル・・・・・・ガチャ。
【はい、こちら明るい明日を切り開くSCEBAI広報課ですが、どちら様でしょうか】
 この組織も良く分かりませんね。
「こちら機動戦艦ナデシコブリッジオペレーター星野ルリですが。ナデシコ艦長ミスマル・ユリカさんにつないで下さい」
【あ、あ〜あ〜。あのナデシコさんですか。わっかりましたぁ。少しお待ち下さいねぇ】
 ぴんぽろぱらぽろぴろぴろり〜ん。
 変な音楽が鳴り始めました。間を持たせる為でしょう。それは良いのですが、選曲がちょっと私の好みではありません。演歌はちょっと、勘弁してって感じです。
『もしもし、ルリちゃん?』
 あ、繋がった様です。この声は間違いなく艦長でしょう。
 でも念の為。
「艦長ですか」
『もーう。ルリちゃんたらもう私の声忘れちゃったの? プンプンよ』
 艦長、子供じゃないんですから。もう少し言動をどうにかして下さい。
『で、何の用?』
「はい。現在ナデシコに4人組の少年少女がナデシコの見学に来たとの事なんですけど・・・。どうしましょうか」
『あ、もう着いたんだ。結構早かったんだね』
 はい? て事は艦長知ってたんですか?
『さっきここのビルで会ったんだけど、ナデシコの見学がしたいって言って来たから良いよっていっといたの』
「そんな簡単に許可を、第一何処の誰か分からない人達に出さないで下さい」
『ああ、身元ならハッキリしてるから大丈夫よ』
 そう言う事はもっと早く言って下さい。
『彼らもここの所属で、えう゛ぁんげりおんって云うロボットのパイロットさんなんだって』
「でも中学生くらいじゃないですか」
 まぁ私が言えた義理ではありませんが。
「それに艦内に残っているのは私とテンカワさんしかいません。警備上の問題もありますし、第一案内は誰がするんですか」
『ルリちゃんお願い。する事ないと思うし、これから仲間になるんだから仲良くネ、ジャ!』
 あっ切れちゃいました。
 まったく、仕方ないですね。
 それではアキトさんに連絡を入れて、下に行きましょう。
「アキトさん」
『お、ルリちゃんどうしたの? お昼までもう少しあるけど』
「お客さんが4人追加だそうです」
『え、本当? うーん、分かった。じゃあ用意しとくよ』
「はい。それから今から迎えに行きますので一緒にお願いできますか?」
『あ〜、うん分かったよ。じゃあエレベーターでね』
「はい」
 と言う訳で食堂前のエレベーターに立っています。
 いつの間にって、別にオペレーター席に座ってなくてもコミュニケは使えますんで。
「あ、ルリちゃんいつの間に」
「歩きながらコミュニケで連絡してましたから」 同じ事を2度言うのは面倒ですね。
「あ、なるほど。じゃあ行こうか」
「ええ」
 エレベーターで第2船体まで一気におりまして、そこから最下層の昇降ハッチに辿り着きました。
「それじゃあテンカワさん、開けます」
 私が扉を開けると、あっヤッパリ
「ちょっとアンタいつまで待たせりゃ気が済むってのよ!!」
 さっきの赤毛さんがテンカワさんに喰って掛かって行きました。
 やっぱり男の人と女の子がいれば男の人の方が責任者だと思いますよね。作戦は成功です。
 ゴメンナサイ、テンカワさん。
 テンカワさんは怒濤の勢いで迫り来る赤毛さんに気圧されて退く一方です。
「ふざけんじゃないわよ。一体何様のつもりなわけ」
「ちょっとちょっと、一体何が何の事だか説め」
「言い訳なんか聞きたくないの、何故素直に謝れないわけ、アンタの世界の人って皆そんななの? 違うでしょ、だったら キチンと謝るべきだわ」
「だから一体なにが」
「アンタ責任者でしょ!?」
「オレはコックだー!!」
「へっ?」
「まったく、人に文句を言う前に話を聞きなよ、嬢ちゃん」
「むぅーっ。それじゃ誰が責任者だってのよ」
「それは私です」
 ・・・・・・・・・なに黙ってるんでしょうか。
「えーっ! うそぉ」
「へーすごいなぁ」
「あなたが未来戦艦の艦長さんなのですか?」

「そう・・・、よかったわね」
 別にそこまで驚いて貰わなくてもいいんですが。
「アンタみたいなチンチクリンがこの宇宙戦艦の艦長な訳ぇ!? 信じられなーい」
 ぴくっとコメカミが痙攣してしまいました。
 冷静沈着が私のモットーですから、決してこの感情を外に漏らしてはいけません。
 はぁ、セルフコントロール。
「わたしはこのナデシコの留守を守っています統括オペレーターの星野ルリです。別に艦長と言う訳ではありませんので、悪しからず。ちなみに、艦内への立ち入りが遅れたのは事前に連絡が無かったため、艦長に立ち入り許可を貰っていたためですのでご了承下さい」
「あ、そう。分かったわ・・・」
 ようやく赤毛さんも納得してくれたようですね。あ、そうそう。
「それでは改めて自己紹介をさせていただきます。私はネルガル重工所属の機動戦艦ナデシコの統括オペレーターの星野ルリです。で、こちらが」
「天河アキトです」
 テンカワさん、簡略すぎます。
「ナデシコ乗員の胃袋を満たしてくれていますナデシコ食堂のコック見習いにて人型戦闘機エステバリスのパイロット天河アキトさんです。まぁ現在艦内には私たちしか居ませんので手を貸して貰っています」
「質問」
「ハイ、栗毛さん」
「くりげさん・・・、霧島マナって名前が有るんだけど・・・。なんでコックさんがパイロットなんですか」
「まぁ色々ありまして。ところで乗船前にそちらの身元と自己紹介をいただきたいのですが」
「あ、ごめ〜ん。私は」「ちょっとマナ、アンタはアタシたちの付き添いなんだから出しゃばらないでよね」
「ちぇ〜っ」
 赤毛さんが最初に自己紹介しようとしたマナさんに突っかかっていきました。
 彼女は随分と攻撃的な性格のようです。
「アタシは惣流・アスカ・ラングレー(14)。元NERV所属の人型決戦兵器エヴァンゲリオンパイロット、二人目の適格者よ。そしてこの3人のリーダーよ」
「え、いつからアスカがリーダーになったの?」
「アンタばかぁ? 一番優秀な人物がリーダーになるのは当然じゃな〜い。なにか文句あるの?」
「・・・・・・いや、無いけどさ。ボクは碇シンジ(14)、アスカと同じくエヴァのパイロットでサードチルドレンです。趣味は特にないけど強いて言えばチェロ、得意技は・・・家事全般かな特に料理に力が入ってます」
 例の黒一点さんが何か疲れた様に言ってますけど、どうしたのでしょう。
 ま、男性が家事能力に長けているというのは良いことです。男女平等が相当進んだ世界のようですね。
「綾波レイ(14)。ファーストチルドレン」
 終わりですか、簡潔で良いですね。
「私は、私立江東高等学校付属中学2−A所属の霧島マナじゅうよんさいで〜す。よろしくね」
「はぁ、その私立江東高等学校付属中学のマナさんが何故ここに? この3人はSCEBAI所属と言うことで分かりますけど、アナタがここにいる理由が見あたりませんが」
「なによぅ、私がスパイだとでも言うの〜? 確かにこんなに美人じゃ歴史上の女スパイと勘違いされても仕方ないかもぉ〜」
「アンタバカ? 自分が疑われてるってのになにバカなこと言ってんのよ、全く。このバカはアタシたちの付き添いよ、第一こんなバカがスパイなんか務まるわけないじゃん。このバカは只の一般人よ、私が保証しても良いわ」
「あ〜ひっどーい。アスカ私のこと5回もバカっていったぁ! バカって言った人がバカなんだからねぇ」
「バカバカバカバカバカバーカ! アンタなんてバカで十分よ」
「ふぇぇぇぇぇーん、シンジくぅん、アスカが、アスカが苛めるのぅ」
 件のマナさんはヨロヨロとふらつくとシンジさんの胸に抱きつきました。
 シンジさんは真っ赤な顔をしています。
「えっあっあっあの〜。ア、アスカ?」
「何よシンジ、その女の事庇うだけ無駄よ。どうせ嘘泣きだし」
「え?」
「アスカが言っているのは本当の事、だって涙が流れてないもの」
「え?」
「ええー、バレた?」
「バレバレよ」
「バレバレね」
 この人達私より3歳も年寄りの癖に、ほーんと、バカばっか。
 あ、聞こえちゃったかな、声に出してなかったつもりだけど。3人の額に血管が浮かんでますね。
 気にしないで下さいね、私「は」少女ですから。


 それはまぁともかく、艦内の案内ですか。
 さて、どうしましょうか。
 そういえばそろそろお昼ですね、まずは食堂に行きましょう。
「それでは最初に食事にしましょう。そろそろお昼ですし」
「えー、でもアタシ、ダイエット中だからなぁ」
 アスカさん、少しうるさいです。
「私がお腹空いてますので、我慢して下さい」
「ルリちゃんきついなぁ」
 テンカワさんもいらないこと言わないで下さい。
 わたし少し不機嫌ですからちょうど良いんです。
「ではまず、このエレベーターが第1エレベーターです」
 思兼、艦内図を出して。
<オーケールリ>
 わたしが思兼に頼むと空中にホログラムの平面図が投影されました。
 でもなんかエヴァパイロットの3人は見慣れてるようですね。少し残念です。
「この第1エレベーターは武器区、機関区のある第1船体とブリッジがある第2船体を貫いています。艦内の上下動時には無くてはならない物ですね」
「質問、じゃあそれがやられたら艦内の移動が出来なくなるんですか?」
「もちろん、1本だけでは戦闘時の被害により使用が出来なくなる恐れがありますし、普段からの利便性からも、複数のエレベーターが用意してあります。ではどうぞ」
 到着したエレベーターに乗り込みました。
 ちなみに軍艦用なので重量制限はかなりの余裕があります。
 エレベーターが動き始めるとシンジさんが何かに気付いた様です。何でしょう。
「あの、質問して良いかな」
「はい、どうぞ」
「なんかこのエレベーター斜めに動いてないかな、ハハ」
 シンジさんはすこし自信なさげに言ってますが、その通りです。
「ハイ見ての通りナデシコの船体を繋ぐこの梁の部分ですが、ここが斜めになっていますので必然的にそうなります。ですが、ナデシコの整備班班長のセイヤさんが言う事には斜めに上がるエレベーターは「宇宙戦艦ヤマト」以来の伝統なのだそうです」
「へぇ。そうなんだ」
 シンジさんは素直に感心したようですが、宇宙戦艦の設計にまでそんな大昔のアニメマニアの考えが入り込んでいるなんて、少しヤ。
 そんな事してる内に食堂のある階に着きました。
「それじゃテンカワさんお願いします」
「はいはい」
「皆さんはこちらへどうぞ」
 そのままテクテクと食堂前のショーウインドウに行きました。
「こちらでメニューを決めて下さいね」
「へぇー、二〇〇年近く経っても食事って余り変わらないんだ。・・・この火星丼て何かな」
 わたしに質問ですか、それとも独り言でしょうか。
 いまいち分かりません。
「バカねぇシンジ。そんなの食べてみなくちゃ分かるわけ無いでしょ」
「それもそうか」
 なんかアスカさんの一言で納得したようです。
 では注文も決まったようですし入りましょう。
「テンカワさん注文良いですか」
「はいよ、どうぞ」
 厨房にはいると口調が変わるんですね。いいけど。
「わたしはラーメンお願いします」
「ぼくはその火星丼おねがいします」
「アタシはスパゲティセットね」
「あ、わたしもそれでおねがいしまーす」
「ニンニクラーメン・チャーシュー抜き」
 一瞬、食堂内がシーンとしたのはわたしの錯覚でしょうか。
 みんな絶句してますけど、エアコンまで停まってしまうわけは無いのですが。
 あ、テンカワさんが再起動しました。
「ハイ、じゃあ注文はラーメン一丁に火星丼一丁、スパゲティセットふた丁にニンニクラーメン一丁ね」
「チャーシュー抜きで」
「ハハ、チャーシュー抜きで、了解しました。」
 テンカワさんは注文を取ると厨房へと消えました。
 大変そうですね、テンカワさん。
「あ、そうだ! すいませーん」
 シンジさんが何か思いだしたらしく、厨房の中に入ったアキトさんに声を掛けました。
 何なんでしょうか。
「はい? 呼んだ?」
「ええ。あのー、別に頼みたい物が有るんですけど、良いですか?」
「あんまし手の込んだ料理はちょっと、まだ修行中なんで」
「いえ、端切れか何かで良いんですけど、肉類を皿に盛って貰えませんか」
「え、っと焼き肉か何かにして?」
「いえ、生で良いんですけど」
「うえ、君そんな物食べるのかい? 寄生虫が沸くぞ」
「いえいえいえ、僕らじゃなくて僕らが飼ってるペットがいるんですけど。それ用にって思ったので」
「ペット? 居ないじゃんルリちゃん見た?」
「いいえ」
 思兼。
<はい>
 艦内に何か生物はいますか?
<いいえルリ>
<この艦内には人間が六人存在するだけです>
 そうですよね。
 ありがとう思兼。
<いえいえ>
<どういたしまして>
「あなた達の他にペットになるような生物は乗り込んでいないとなってますけど」
「ええ、あ、じゃあ今から呼びますね」
「呼ぶ?」
「はい、エース!」
 シンジさんが呟くと、空中に何か、九匹の、羽根の生えた蜥蜴? 蜥蜴、木星蜥蜴!
 いえ、これはどう見ても生物ですね。
 いいえそれより一体、何処から、チューリップ・・・の筈は有りませんし。
 一体何が何だか。
 思兼、ボゾン粒子の反応はありましたか?
<いえ>
<No>
<原因不明>
「・・・何なんですか。その、・・・蜥蜴は」
「えっとですね、時空統合直後に砂浜で見つけた卵から孵った、ドラゴンの様な生物です。」
「いまボゾン跳躍というか、瞬間移動しましたよね。それって一体」
「何か時空統合した世界の中には色々な能力を持つ世界があるみたいですよ。この火蜥蜴たちもそのひとつですけど、どうやって瞬間移動しているかは分からないって言ってました」
「分からないって、誰が言ってたんですか」
「えっと、ここに来る前に僕たちが居たGGGという組織の研究所とあとここSCEBAIの科学者の人達、」
「ふぅ。まぁ人に危害を加えないなら乗艦しても構わないでしょう」
「ありがとうルリさん」
 いきなり手なんか握らないで下さい。
 あ、なんか後の方たちが怖いんですけど。
 大丈夫でしょうか。
「シーンジ、ちょっとこっち来てくれないかしら」
「そうそう、直ぐ済むからさぁ」
「・・・・・・」
 シンジさん、どっか見えない角っこに連れ去られてしまいました。
 怪我、しないで下さいね。
「ハハ、シンジくん大丈夫かな?」
 やっぱり似たような境遇だから気になりますか? テンカワさん。
「なるようになると思います」
「結構冷たいなぁ、ルリちゃん」
 ギロ
「おっと、それじゃオレは食事の用意をしなくちゃ」
 逃げ足が早いですね。
 ホント、バカバッカ。


 あのあとボコボコにノされたシンジさんを連れてアスカさん達が帰ってきた頃、ちょうど料理が上がりました。
 アスカさんは「シンジの方が美味しいみたい」とか何とか言ってましたが、プロのテンカワさんの方が美味しいに決まってます。
 シンジさんは初めて見る火星丼を食べてみて「家でも作れるかなぁ」とか言ってます。
 タコさんウィンナーさえ作れればそれほど難しい物でも無いと思いますが。
 しかし、そんなにボコボコにされていて良く物を食べられますね。
 え? 慣れてるから大丈夫? ご愁傷様です。
 あ、そうそう、何故火星丼って名前なのかって質問があった時、火星の植民について話したら大変驚いてました。
 まぁ仕方ないですけど。
 それから、わたしがラーメンのおかわりした位でそんなに大げさに驚かないで下さい。
 レイさんだっておかわりしたんですからおあいこだと思います。
 食事が終わって30分の間、談笑しながら私は彼らから現在の地球の状況について話を聞きました。
 もちろん、SCEBAIのコンピューターから情報を引き出せば正確な社会状況は掴めるのでしょうが、混乱に巻き込まれた当人の感想もそれなりに価値がありますから。
 それらから類推すると、現在の地球には数多くの世界が統合されてしまった事。
 私たちの時間系や生物系から大きく隔たった世界も数多く、この世界では人間と言っても純粋なホモ・サピエンスだけではなくホモ・エレクトスの頃から大きく別方向へ進化したとしか思えない種族や我々の世界では全く類縁のない知的生命体が存在すること。
 それらと現在交渉が進められていること。
 全く異なる文明を持つため戦力推定が非常に難しいこと。
 等々、特に最後の項目はエヴァンゲリオンの操縦者にて戦闘の当事者である彼らならではの意見が聞けました。
 それからお腹も落ち着いてから艦内の当たり障り無い場所の案内をしました。
 特に相転移エンジンや格納庫のエステバリスはウリバタケさんがいないので勝手に触るわけにもいきませんでしたから、図解で説明するに止めました。
 ちょっと以外だったのは赤毛のアスカさんはわたしの説明をしっかり理解した後、かなり核心に迫る質問をしてきたことです。
 なんでも彼女は今でこそ中学校に通っているが、ドイツにいた頃に大学を卒業していたから「こんなのお茶の子さいさいよ」と言ってました。
 でも・・・一体何の専攻だったんでしょうね。
 そんなこんなで、彼らは散々騒いで帰って行きました。疲れた。

 と言うワケで、休み初日は意外と忙しかったですね。
 あ、ちなみに夕食は天河特製チキンライスでした。




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日本連合 連合議会


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