NeonGenesis ○二年五月三十一日
晴れ
 
 今日のネタは工業界について語りたいかと思います。その2
 
 前日のその1より続く。
 大体、戦後間もなく外貨獲得のため海産物を塩漬けにして輸出していた時代、上げ浜式で殺菌力の弱い低純度塩化ナトリウム食塩しか作れなかった頃、塩漬け製品の歩留まりは最悪で散々苦労し、イオン交換膜濃縮法で漸く作られた殺菌力の強い高純度塩化ナトリウム塩が作れるようになって歩留まりが向上したっていうのに。
 そもそも、イオン交換膜濃縮法も海水を原料に作っている天然の塩なんだから、まるで化学合成で得体の知れない原料から作られているような表現は止めて貰いたい次第であります。
 それはさておき、イオン交換膜濃縮法には優れた利点がある。それは海水を海辺に作った池で天日干しにて水分を蒸発させ、海水中に含まれている成分をそのまま濃縮した海外の食塩は、かなり離れた海域から流れ込んでいる工場廃液の重金属や化学物質や環境ホルモンが混じった海水を濃縮しているので、ハッキリ言ってイオン交換膜で透析しているのでそれらが分離される日本式のイオン交換膜濃縮製塩の方が安全面で云えばバッチリなのだ。
 更に云えば東南アジア産の粗塩は大腸菌が単位グラム内に数万個存在しているから、絶対に生で食べちゃいけません。食中毒の原因になります。
 とはいえ、大陸の内部に存在する岩塩鉱脈や塩湖から作られた煎熬塩ならば公害の心配はほとんど無いですが。
 
 世界的にも優れた製造法と言われるイオン交換膜濃縮製塩の製塩会社はそのほとんどが、旧式の製塩方法で不可欠とされた日照時間が長く、雨の降らない気候的要因から瀬戸内海に集中して立地しているのだが、ただ一社が東日本のいわき市に存在している。
 重くて嵩張り、輸送費が掛かる塩は長距離運ぶのに向いていない為、時空融合後の塩不足に乗じてそれなりに売れていて、時空融合後のいわき市の重要な生産物となっているのだ。
 他にいわき市の稼ぎ頭と言えば、観光資源の「ハワイアン」と「アクアマリン」「ららみゅー」それに「塩屋崎灯台」であろうか。
 その他には、小名浜港が国際港と云う事もあって最近カナダからの船の寄港が増えているとか。
 それは良いのだが、夜中に船員を呼ぶ為にビービー汽笛を鳴らすのは止して欲しい所だ。