X:06 Y:05 フォーセリア世界 クリスタニア大陸
OP:予期せぬ変化
かつて光と闇の神々が創造した世界フォーセリア。だが神々はこの世界の完成を前に互いに争い、姿を消した。だが、中には戦いよりも世界の完成を優先させた神々もあった。
かの神々は追っ手たる竜王の目をくらますために、獣の姿をまとい、閉ざされたクリスタニアで世界を完成させんとした。
かくして、クリスタニアは神獣達の力で不変たる世界となった。だが、悠久の時を過ぎて海の彼方より人々がたどり着く。彼らの手によって、不変たるクリスタニアに変化がもたらされた。
そして、外より来る彼らをきっかけとしてクリスタニアはまた大きく変わろうとしていた。
ウルス。灰色熊の姿をまといし、礎の神獣王。かの神獣はクリスタニアの初めより眠り続けていた。クリスタニアに災いをなす混沌を封じ、滅ぼすこと。それがウルスの役目であり、その役目を務めるがゆえに、五柱の新獣王に数えられていた。
そして、今自らが封じ続けていた最大の混沌と共に目覚めようとしていた。
”覚醒の鐘”が鳴り響く中、ウルスがゆっくりとその巨体を現す。その両腕に抱えた水晶の中に眠るのは、最大の混沌、神殺しの竜王アルゴス。
目覚めれば、かつての神々である神獣を滅ぼそうとするのは明らかであった。
だが、この最大の災いに対して神獣たちもクリスタニア各地から集い、その眷属や、神獣の民と共に迎え討とうとしていた。
己を封じていた水晶を砕き、アルゴスが天へと駈け昇る。クリスタニア最大の戦いの始まりであった。
竜王との戦いは熾烈を極めた。その炎は不滅の神々の魂すら滅ぼし、その咆哮は聞く者の魂を打ち砕き、さらには何百という眷族すら操る最後の竜王。
神殺しの名にふさわしい力を持つ竜王と、神獣達との戦いはまさに神話の世界の再現であった。
竜王は無限の命を持つかと思われたが、クリスタニア各地より集まった神獣達とその眷属、あまたの戦士達の前に敗れ去った。
この地に集まったすべての戦士が、地鳴りのような勝鬨を上げる。普段はいがみ合っている部族の者も、最大の脅威の前に手を組み、共に戦ったのだ。この地、この一時だけのことであったが、すべての民が共に一つの偉業を成し遂げたのだ。
だが、その歓喜も長くは続かなかった。夜であるにもかかわらず、真昼になったかのような閃光が空を照らし、その閃光が収まった時には空から月がなくなっていた。
神獣達は疲弊した体に鞭打って、事態の把握に努めた。そして、<看視者>フォルテノはかつて自分たちが創造した世界を取り巻く新たな世界を見出し、<預言者>アルケナは未来がまったく未知のものに変わったことを知った。
己の象徴たる月を失った<周期の神獣王>フェネスがあげた悲哀に満ちた遠吠えが、永き試練の時の始まりを告げていた。
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皆様初めましてkiraというものです。これからクリスタニアの変化を語らせていただきます。
本文を読まれれば分かると思いますが、このお話は<封印伝説>の直後から始まります。
この後に続くはずだった<暗黒伝説><傭兵伝説>は当然様変わりしていきます。
さて、皆様ご存知の通り(だと思いますが)この世界には神獣なんてものがいますので、事態の把握は早かった。
けれど、混沌は跳梁跋扈、戦争は表面的に収まっているだけと、とてもじゃないが外界にかまってる暇はなさそうです。
このような内部の混乱を収める様子と、外界をどうやって受け入れるかということを書いていけたらと思っています。
それではこれからよろしくお願いします。 −kira
PS:タイトルの書き方はこんな風でよかったのでしょうか?